入学式前夜
~魔王、転生した世界で学校に行くことになる~
魔王が転生して十数年がたった。魔王が転生した所は元の世界とは全く異なる世界であった。
「争いがほぼ無い、飢えに苦しむ者も無い、住む所に困る者も無い。これが平和我らが望んでいたもの。」
転生して平和を満喫していた元魔王(転生して大林優兎)は考えていた。
「魔法を使わない生活には未だ慣れんな。まさか、魔法のない世界だとは。それにしても、魔王と呼ばれた我の名に兎か。こんなこともあるのだな。」
過去でも見るかのように目を細めた時、
「優くーん、ちょっといいかな?」
と声がかかりました。
「どうしたんだい?母さん。」
「学校のことで話が有るの。リビングに来てくれる?」
と、この世界での母親から声をかけられ、優兎はいそいで部屋を飛びだし1階のリビングへ向かった。実は優兎は学校に行けるのを楽しみにしていたのであった。
「来たか優兎。先ずは座れ。話はそれからだ。」
貫禄のある声で話しかけたのは父親でもとの世界の魔王のようであった。
「優兎お前は明日から学校に行くこととなっている。その事で話がある。お前は優秀だ。本来なら学校などいかなくても良い。なのに何故学校に拘る?」
そうなのである。本来なら行く必要のない学校に優兎が拘るのは、過去に敵として戦いそして友になったものがいるかもしれないからである。その事を話すわけにはいけないため、優兎が考えた策は
「友達がほしいのです!!」
優兎は堂々と言い切った。それはもう堂々と。
「…そうか」
その勢いに家族は若干引き笑いしながらも納得した。明日は早い。寮にも入る。家族はそう言い、優兎を部屋に帰らせた。優兎は喜びながら部屋に帰っていった。
~Side 家族~
「何故あんなに楽しみにしておるのだ」←父
「何故でしょう?」←母
「どうしてでしょう?」←執事長
「「「まぁ、楽しそうで何よりだな(ね)(です)」」」
と小さい頃から知っている人たちは、それだけで片付けてしまいました。
優兎の小さい頃はこの世界のことを少しでも知ろうと疑問があれば質問し、また、疑問があれば質問の繰り返しであった。(それはカモフラージュで優兎はこっそり魔法を使い過去にいったりしている。)結果、優兎は満足のいくまでこの世界のことについて調べていた。さらに、学校の入学式では、代表挨拶まで任されることになった。