バイトテロ奇譚 ～人外娘を求めて旅立ったら呪われた～

（ネタバレ含みます）

　人外美少女が大好きな立花ジン。彼はコンビニの冷凍庫でバイトテロを決行したところ命を落としてしまう。
　顛末を見ていた天使ガブリエルは酷く哀れみ、特別に立花を好きな異世界へと転生させてくれる事となる。
　嬉々として転生する立花であったが、しかし、待っていたのは想像とは違う異世界「アロファーガ」。そこで、七つ集めるとどんな願いでも叶うというグランド・ラクリマの存在を知り、極貧少女の竜人ヴィータや、ブリーフ一丁の転生者サモと共にラクリマを探す事にする。
　そしてその道中、自身に掛けられた呪いや、転生の裏に隠された秘密を知っていく。

　立花は自身の下半身が鳥になるという呪いをかけられた事を知り、絶望する。呪いは加速していき、腕の毛が濃くなり、やがて顔立ちにも変化が現れ始める。ラクリマの探索を急ぐ一路、彼は自身の過ちを悔い改め、元の姿に戻るよりも地球へと帰還し、謝罪したいと考えるようになっていく。

　そして各種族と交流していく中、エルフの就労問題の解決、海賊の討伐、種族間同士のトラブルの仲介、魔王種との平和協定締結など、アロファーガの平和に大きく貢献していった。

　やがて各種族の長からラクリマを全て入手した立花。しかし、突如現れたガブリエルに、ラクリマを集めても願いは叶わないと明かされる。
　ガブリエルは断罪を司る天使だったが、邪悪で身勝手な愉悦の為に人間を翻弄し、殺していた為、その場で天使長の手によって抹消された。
　天使長はタチバナのアロファーガにおける功績を称え、願いを一つだけ叶えると約束する。立花は元の姿に戻りたい、ではなく、地球に一度だけ帰してほしいと頼む。幽霊となって地球へ出没した立花は勤務先、それから自分の遺族に謝罪した。
　これにより、地球で『バイトテロを行うと異世界に飛ばされて罰を受ける』という、奇妙な噂が流れる。嘘か誠か、インターネット上ではバイトテロ奇譚と呼ばれた。