第5話「ざまあみろ」
ほんの少し書き方などを変えて見ましたので色々とおかしな部分があると思いますが暖かい目で見てくれたら幸いです。またこれからも度々変わっていくと思いますのでそこも暖かい目で見てくれたら幸いです。それでは本編の方をお楽しみ下さい。
カッカと木剣がぶつかり合う音が鳴り響いていた。
やっぱり、眼帯男のほうが一枚上手だな。さっきから余裕な表情で俺の攻撃を軽々と弾き返してくるし、しかも牽制するかのように一旦後ろに下がり俺の様子を見てくるし、一体何のつもりなんだ?
俺はそう思いながらもめげずに再び攻撃を仕掛けようとした途端に眼帯男が悪巧みな表情でボソッと呟いた。
「そろそろ、“アレ”が効いてくる頃だろ」
すると、突然クロバが千鳥足みたくおぼつかない足取りになって、俺は少し焦ってリードを強めに引っ張り動きを止めた。
眼帯男!クロバに何をしたんだ!と強気な声で俺は問いかけた。
「何をしたかって?それは簡単だよ先ほどの試合に出てきたカニカマにちょこっーとだけ睡眠薬を混ぜ混んだだけだぜ」
そう言って眼帯男は証明するかのように睡眠薬らしきビンをポケットから取り出して俺に見せびらかした。そして、それを地面に向かって投げ捨てた。
どんな手段を使ってでも俺たちを勝たせたくないらしいな。俺はアドレナリンがぷんぷんと溢れだしてきて、眼帯男!卑怯だぞ!!と声を荒げて言ったが、眼帯男は食い気味に反論してきた。
「おいおい、卑怯だとかは心外だぜ。だってオレはちゃんと忠告はしといておいたからな、“次の試合は精々気を付けることだな„っとな。だから、別に卑怯じぁないしそれにオレの忠告を素直に受け取らなかったお前が悪いからな」
チッ、確かにムカつくけど眼帯男の言う通りだな。
「まぁそれにしてもそいつはかなりのバケモンだったな。ドラゴンですら完全に眠らせてしまう睡眠薬を使ったのにまだ、弱々しいが起きてやがるし本当にバケモンだな。まぁいいか。それよりもそろそろ決着をつけるとするか」
そう言って優雅にゆっくりと俺の方へと歩き始めた。
くそ!このままじぁあやられてしまう。何か、いい方法はないのか?……そうだ!リエル、一回戦目の時みたいに眼帯男の動きをスローに出来ないか?
「(すみませんが、キセキの力を使い尽くしてしまってもうありません。ですので頑張ってこのピンチをどうか切り抜けて下さい!)」
そうか。それなら┅┅を買ってきてくれないか?なるべく早くそれまでは何とかして持ち堪えるから。
「(分かりました。それでは早急に買って参りますね)」
リエルは急いで村の中心方面へと向かって行った。その間、俺は大きく息を吸ってそのまま吐くと同時に呼び掛けるように声をかけてクロバを起こそうと試みた。
「クロバ!起きろ!起きるんだ!クロバはこれから楽しいことや辛いこと色々なことが待ってるんだぞ。それにこの試合に負けたらもう二度とカニカマも食べれなくなるんだぞ!それでいいのか?クロバ、起きろよクロバ!!」
それでもクロバは俺の言葉に一切反応せずに眠ったままで完全に睡魔の方が勝ってしまい全然起きる気配がなかった。しかも、眼帯男がもうすでに俺の目の前に立っていた。
「これでお前はもう終わりだ」
眼帯男は余裕そうな笑みを浮かべて俺の脳天目掛けて木剣を勢いを付けて振った。それを俺は何の抵抗も出来なくあっさりとくらってしまった。
はぁ、第二の人生がこんな序盤で終わるなんてな、短かったな……いや、まだ終るわけには行かないんだ女神との約束も果たせないし俺の死因も変えれてないしそれにこんな簡単に諦めてたまるか。俺は生きる!生きて眼帯男に一泡吹かせてやるんだ!だから、力を下さい!
「(良いだろ。特別に“我”の力を与えてやろう)」
突然、脳内に謎の声が直接語りかけてきた。何だこの声は女神でもないしリエルでもないし、“我”ってお前は一体何者なんだ?
不気味に思い、誰なのか質問をした。
「(ふ、今は気にするべきことではないだろ、そんなことよりお主は眼帯男に一泡吹かせたいのだろなら“我”の力を使うが良い。な~に、使い方や説明はもう既にインプットして入るから安心せい。それじぁあお主が再び力を求める時まで暫し眠りに就くとするか。)」
質問を無視して好き勝手に話を進め説明だけして立ち去った。何だったんだ今のは、まぁそれよりもこの力からなら眼帯男に勝てるぞ!俺は意識が戻った瞬間に早速力を使った。
“***のキセキ 魂を喰らいし強人化„
この力は自分の残機を好きなだけ喰らってその分だけ一時的だが強くなれる力だ。
そうして、自分の残機をお試し程度に二つ喰らい一時的にステータスを上げてクロバのリードを力強く掴みそのまま騎乗していた位置に戻り、木剣を眼帯男に向けて振った。
すると、「何!?」と言わんばかりの驚いた顔で後ろに下がろうとしたがその隙をついてやっと真面な一発をくらわせることが出来た。
「チッ、次いでに腕に巻き付けた布も取ればよかったな」
余裕感を出してわざと聞こえるように挑発をした。眼帯男はそれに食いつき挑発に乗った。
「フフフ、少しばかり遊び過ぎたようだしそろそろ本気でお前を倒してやるよ!」
若干イラつきながら返事を返してからリードを強くしならせ、猪突猛進の勢いで真っ直ぐ此方へと向かった。そして勢いに乗って斬りかかってきた瞬間、
“闇のキセキ 暗黒の盾„
咄嗟の反応で盾を設置して何とか防いだが、眼帯男は懲りずに何度も盾に向かって攻撃をし、眼帯男のペガサスもタックルをしたりして少しずつひびが見え始めてた。もう盾にひびが入りまくって今にも壊れそうだし早く来てくれよな、リエル。
そのように願うと脳内に聞いたことのある声が聞こえてきた。
「(お待たせ…しました!覚醒薬、買ってきましたよ)」
ハァハァと息を切らしながらリエルが話しかけた。それに俺はナイスだな。と観客席に向かって親指を立てて気持ちを伝えた。そうあの時リエルに覚醒薬を買うように仕向けていたのだった。加えて睡眠薬の対抗策と言ったら目が覚める薬いわゆる覚醒薬だしな、やっぱり薬には薬で対抗しないとな。
「(それでは今から投げますので受け取って下さいよ)」
合図を出してからリエルが投げてきた覚醒薬を俺はキャッチし、急いでビンの蓋を取り眠って入るクロバに飲ませた。
「クロバ、起きろ!起きるんだ!!」
必死なって呼び掛けたがそれでも起きなくて焦っていると、遂にひびが入っていた盾がバリンと音を立てて壊れてしまい取りも直さずに眼帯男が至近距離にまで近づい来て、今度は腕に巻き付けていた布を取ろうとした途端にシュと地を蹴る音が鳴り同時に大きな砂埃が見え、いつの間にか眼帯男との距離が広がっていたのだった。
まさかと思い視線を少し下に下げるとクロバが目を覚まし立っていた。眼帯男はその光景を見て完全にキレた容体で
「どうやらオレはお前を甘く見すぎていた様だな」
と殺意がビンビンに溢れた出した声で呟いた。俺は後ずさりしそうになったが唾を飲み込み気合いを入れて話しかけた。
「そろそろ。本気で決着をつけようぜ」
そう言って俺達は誘うようにして空中へと移行した。それに乗るように眼帯男達も空中へと移行した。
程なくして眼帯男も追い付き、最初の余裕な表情はなくなり威圧感のある言葉で話しかけてきた。
「お前はかなりいや、結構やるな方だな。だってオレの生命のキセキは地面からの奇襲攻撃を得意とするからな」
はっ!確かにそうだな!と言われてから気づき納得した顔になってしまい、それをテレパシーからツッコむ感じで話に割って入った。
「(って知らずに空中へと誘き寄せたんですか?てっきり私はそうかと思っていたんすけど。ならどうして空中へと移行したんですか?)」
「(だって、360度縦横無尽に戦えるんだぜ。)」
と男のロマンを伝えたがリエルは呆れた様子でため息をついた。
「(ハァ~、そうですか。まぁ別に良いですけど絶対に勝って下さいよ)」
強気な声で最後は応援らしきことを言った。
あぁ、絶対に勝ってやるぜ!答えるように俺は意気揚々と返事を返し、気持ちを切り替えて言葉を発した。
「いや~話し込んでしまってすまないな。そろそろ、殺り合おうか」
「そうだな。今度は油断せずに速攻で終らしてやるよ」
眼帯男は冷静さを保ちつつ気迫のある声で返事を返してからペガサスのリードをしならせ、先ほどの猪突猛進な勢いで360度色々な方向から斬りかかって来た、それを頑張って防ごうとするも何発かは防げずくらってしまっている。
正直、殺意に満ち溢れた一発は痛いが兎に角今は見極めるんだ。眼帯男が次にどの方向から来るのか。
そうしていたら未来予知のようなものが一瞬だが見え、そこに木剣を振ると吸い寄せるように眼帯男が向かって来て当たると思った瞬間
「残念だったな」
見下した声でスッと俺の振った木剣を避け、踏み台のように踏んづけてジャンプをしたのだった。
「何…だと!?」
驚きの余り俺は何も反応が出来なく、そのまま後ろへと回り込まれ眼帯男のペガサスに思一気しタックルをくらってしまいクロバは体勢を崩し、その拍子に俺はクロバの背中から落ちてしまった。
今の体だったらこの高さで落ちても多分傷一つ付かないと思うがこのままじぁ地面に着いて負けてしまう。と思い空を眺めていると上から物凄いスピードでクロバが追い掛けに来てくれて何とか助かったがそれも束の間、眼帯男がダメ押しの如く木剣を真っ直ぐ前に突きだした突進の体勢で追撃を仕掛けた。更に俺は防ぐ感じで
“闇のキセキ 暗黒の盾„
と盾を設置したが加速の入った攻撃は簡単には止められなく直ぐにひびが見始め今にも壊れそうになっている。
くそ!盾がもう一つあれば二重にして何とか攻撃を防げそうなのに……ってそうだ!想像して作れば良いんだ。
俺は前に初めて盾を設置した時と同じようにもう一度想像した。
“闇のキセキ 双璧なる暗黒の盾„
そう唱えた俺の目の前には二つの盾が重なるように出てきて眼帯男の攻撃を防いだが勢いは一切弱まることなくどんどんと地面の方向へと下がって行き、そしてぶつかると同時に衝撃波が起こり巨大な砂埃が立った。観客席からは何も見えずただ砂埃が去り行くのをじっと待っていた。
暫くして砂埃が去って行き俺も回りの景色が見え始め、ふと手の方を見つめるとそこには眼帯男の腕に巻き付けられていた布らしきものを握っていた。
そのことに理解するのに軽く数秒はかかり遅れて反応してしまった。
「や、やった勝ったぞ!!」
興奮してしまい思わず観客達に向かって魅せるように布を握った手で力一杯に振り上げた。こうして最終戦目は俺達の勝利で終わり、勝負の結果二勝一敗でこの俺、不動海斗と愛ぺガのクロバ、手助けをしてくれたリエルの三人で勝利を勝ち取り幕を閉じたのだった。
「嘘…だろ…このオレがあんなやつに負けるなんて!?」
眼帯男も今起こった事実が受け止めきれず棒立ちのまま戦意喪失して何やらぶつぶつと独り言を呟いていた。その所へと俺はお構いなしにクロバに跨がった状態で向かって行きただ一言。
「“ざまあみろ!!”」
俺は勇者とは到底思えない見下した表情で罵った直後に続けてクロバも眼帯男の顔面目掛けてペッと唾を吐き飛ばしてやり、やっと仕返しが出来てスッキリしそのまま俺達はハクバ村を後にして次の村へと向かったのだった。
「おい、そこの眼帯をしているアンタ大丈夫かい?……って臭!な、何だいこの何とも言い難い異臭は!?お~い、誰かコイツに消臭剤をかけてやってくれ~~~!」
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俺達は今、クロバに跨がりながら空中を飛んで次の村へと向かっていた。正直、空中は楽でいいな。特にここら辺は空中のモンスターが少ないし地上と違い険しい道のりもないから楽だなぁ。と暫く間、涼んでいるとふと気になることを思い出しリエルに質問した。
なぁ思ったんだがどうして戦ってる最中に俺のキセキの力が底を尽きなかったんだ?だってキセキをあんなに使いまくったら普通(レベル2)底を尽きてもおかしくないと思うんだが?
不思議そうに思い聞くと急に鼻を伸ばたリエルが自慢げに答えた。
「実はですね、私が一回戦目からずっと不動様にキセキの力を分け与えて居たからなんですよ」
マジか!?てっきり勇者補整で大量に持っているもんだと思っていたのに……まぁいいか。それともう一ついいか?
「はい。別に良いですよ」
これなんだが。と俺は自分のステータスをリエルに見した。
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不動海斗(17)男性
レベル:2→11
職業:勇者
武器:剣
属性:“闇のキセキ„ “***のキセキ„(二つのキセキを持つ者)
体力:121→205
攻撃力:36→50
防御力:28→44
耐性:14→23
素早さ:31→44
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この“***のキセキ„って何なんだ?
指を指して視線を属性の所へと誘導した。すると、それを見るなり気難しそうな顔へと変わり
「すみませんが私にも分かりませんね」
と答えて結局分からずじまいでこの会話は終わった。
そうか、すまなかったな。しかしリエルが知らないとなるともう一度謎の声の主に会って聞くしかないかな。まぁ声の主も「再び力を求める時が来ればまた会えるだろう」とか何とか言ってたし近いうちにまた会えるだろ。
のこり残機《85》