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サンタとは(哲学)

「サンタしゃん!」


息子が舌ったらずな口で嬉しそうに言う。

商店街はどこもかしこもクリスマス一色で、そこかしこにサンタクロースの姿を見ることができる。

昨年のクリスマスにこの(もよお)しの趣旨(しゅし)を理解したこの子は、白い縁取(ふちど)りのの赤服の老人に大興奮だ。


ポスターに描かれたサンタを指差して、


「サンタしゃん!」


客引きの仮装で赤い服と付けヒゲをしたアルバイトの若者を見ては、


「サンタしゃん!」


ついでに帽子しか被ってないフライドチキンチェーン店の眼鏡の老人人形を見て、


「サンタしゃん!」


テンションが歓喜に振り切れっぱなしな姿は、自分たち大人がいかにスレているのかを教えてくれる。

子どもの頃のこの純粋さを私たちはいつ失くしてしまったんだろうなぁ……

何がそんなに楽しいのか、と思うくらいに元気いっぱいだ。


商店街のアーケードを抜けて家路を辿(たど)ると、道のところどころに昨夜降った雪が残っている。

滑って転んだら危ないので息子を腕に抱えて歩いていると、息子が嬉しそうに隣の庭先の小物を指差してまた言った。


「サンタしゃん!」



……息子よ、それはヒゲもあるし赤い帽子をかぶってるけど、サンタクロースじゃなくて庭小人(ドワーフ)なんだ。


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