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クロネコ

作者: 芦進伸哉

はるいろじゅうたん ふみしめて

ひげとけなみ それからしっぽ

やさしくゆらす かぜあびて

そこのけ そこのけ

くろねこさんがとおる


あったかようきにまどろんで

ごめんよとさしたかげにとびはねる

みあげるさきに ほほそめあうふたり

ももいろのあいだにはさまれた くろだけまるでなかまはずれね

ひとなきすれば かんたんにこわれてしまう

けいこくうながすしーるといっぴき にらめっこ

ああ なんともろいことでしょう

かなしそうなこえには きこえないふり


くろねこさんのおめめのいろとおそろいのひ

いちとさんがよりそう かれんだー

けれどごしゅじんさまによりそうあのひと いないのね

ほっそり きんがほそまった


まあるいおつきさまのした

ごきげんにしっぽゆらして

そこのけ そこのけ

くろねこさんがとおる


またいでしまったのは だあれ?

授業で「共詩」というものをやりまして。そこから共通のタイトルで、できあがった詩を見て各自作品を作るという課題。

「クロネコ(黒猫)→不吉」というイメージがぱっと浮かび、共詩の最後が「淡い想いを鼻で笑った」と締めくくられていたので、その終わりにつながるようなバッドエンドにしようと考えました。


場所によっては「13日の金曜日に黒猫を見ると」だとか「黒猫をまたぐと」不幸な目にあうという迷信があるそうです。


初め、普通に漢字混じりに書く予定だったんですが、平仮名の方が怖い感じになるかな。と考え、全て平仮名にしました。

ゼミ仲間には読みにくくて申し訳ない気持ちだったんですが、猛バッシング受けると覚悟していたら予想外に好評価で安心しました。

全て平仮名にすると、なんだか童謡を書いているような気になってきて、「ひとみのいろ」→「おめめのいろ」だとか「まるいつき」→「まあるいおつきさま」とか。言い回しを変えるのも楽しかったです。


友人との共同作品なので共詩の方は載せられませんが「黒猫といえば某宅急便」という話が当時出ていたので、それを意識して書きました。



【↓懲りすぎて分かり辛いと評価を受けたので以下、軽い解説】

はるいろじゅうたん:敷き詰められた花弁の上。白とか桃色とかにしなかったのは、色とりどり(複数の花)にしたかったため。季節は春。


ごめんよとさしたかげにとびはねる:「ごめんよ」と声をかけて、黒猫をまたぐ人物

けいこくうながすしーる:荷物に張られる「割れ物注意」のシール

ああ なんともろいことでしょう:脆いのは落ちた荷物か、それとも……


くろねこさんのおめめのいろとおそろいのひ:金曜日

いちとさんがよりそう かれんだー:13日

きんがほそまった:(黒猫の)金の瞳


またいでしまったのは だあれ?:黒猫をまたぐと不幸が舞い降りますよ

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― 新着の感想 ―
[良い点] 春と猫ちゃんのふわふわ感にすっかりだまされました…… あとがきの解説ではじめて「えっ?!」と我に返り二度よみ、三度読み。 確かに不吉なモチーフがちりばめられている! なのに、なんだろう、総…
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