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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

生きる。episode2

作者: 雪音

「生きる。episode2」

               

 人生に絶望した私は、色々な方法の死に方を調べていた。しかし、どれも苦しそうで、実行しても苦しさに負け、いつも中途半端に死ねなく終わっていた。

 ある日、私はある一つの歌に出会った。

それは”あいみょん”の「生きていたんだよな」

 その中である歌詞が、私の心に響いた。それは、最後のCメロからのサビの『「今ある命を精一杯生きなさい」なんて綺麗事だな。精一杯勇気を振り絞って彼女は空を飛んだ。鳥になって 雲を掴んで 風になって 遙遠くへ 希望を抱いて飛んだ。

 生きて生きて生きて生きて生きて 生きて生きて生きていたんだよな。新しい何かが始まる時、消えたくなっちゃうのかな。

 生きて生きて生きて生きて生きて 生きて生きて生きていたんだよな。最期のサヨナラは他の誰でもなく、自分に叫んだんだろう。』

 他にも心に響く歌詞はあったが、この一部が、今の私には一番心に響いて、心に突き刺さった。

 確かに新しいことを始める際には、それなりの覚悟と勇気がいる。だから、弱い人間は、勇気のない人間は、人生に絶望した人間は、人生に恐怖と不安を感じた人間は、そして、私は、新しい事に足を踏み入れる事が出来ず、死を選ぶ。

夢がある人間、人生を楽しんでいる人間、未来に希望がある人間、病院の先生、普通の人間は、自分の家族は、みな、口を揃えてこう言う。

「今ある命を精一杯生きなさい」と。しかし、精一杯生きた結果がこれだ。彼女は精一杯勇気を振り絞って空を飛んだんだ。それしか、彼女に残された選択肢はなかったのだ。

 死ぬことしか、彼女にはできなかった。生きる事が出来なかった。

 生きる事はとても難しく、怖く勇気がいる。しかし、私は思う。私は…

 死ぬことの方が怖く、一番勇気がいることだと。そして、死を選択した人間は強い人間だと。

 そして、飛び降りたらもう助からない。

 首吊りや包丁で刺殺は、私にとって自殺に向いていない。なぜなら、苦しければ、怖ければいつでもやめられるからだ。しかし、飛び降りは、飛び降りればそれでお終いだ。精一杯勇気を振り絞て飛び降りれば、助かる事は無い。奇跡的に助かる事もあるが、そうならない為にも、高い建物を選び、飛び降りるのが良い。もう一度言う。

 「精一杯勇気を振り絞って飛び降りれば、それでお終いだ。」

 そして、最期のサヨナラは、他の誰でもなく自分に叫んだんだだろう。

 

 サヨナラ。

 サヨナラ。


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