異世界コンタクト
「大罪?」
「そう、大罪。」
「大罪っていうと7個あるやつ?」
「うん、七つの大罪。」
そこまで聞いてヤマトは頭を抱えた。
七つの大罪、2次元の中では定番中の定番、ヤマトも一時期そういうものにハマったことはあったので七つ全ては覚えている
嫉妬、傲慢、強欲、色欲、暴食、憤怒、怠惰。
ぱっと思い浮かぶ中では怠惰くらいしか候補がないように思える。あとは…
「ほとんど心当たりねえぞ、どういうこっちゃ」
「うーん、遠くからは見てたんだけど、憤怒じゃない?」
「なぜに」
「ほんとに覚えてないの?ヤマトめっちゃ怒ってたよ」
(あー………なんか妙にすっきりした気分で何かを忘れてるような感じだと思ったらさっきのこと忘れてたのか)
憤怒というリコの推測と今の自分の精神状態から考えるにウルフ達を殲滅した時に放った魔法(?)にはヤマトの怒りのエネルギーが込められていたという事ではないだろうか
「なんかストレス発散用みたいな副作用だな…」
リコがヤマトの独り言を聞いて目を輝かせる。
「ん?なにかわかったのかい?ヤマトの意見を聞かせてよ!」
お、おう…… 近い近い近い!
-------------------------------
10分後
なんとなく説明した。
「なるほどねー。ただヤマトが魔法ぶっぱなしてすっきりしたって線も捨てられないよねー」
「俺にそんな癖はないぞ」
「もしもの話だって」
ちなみに、その場でというのもなんなので2人は近くの街向けて歩き出していた。
「なあ」
「なんだい?」
「寒いんですけど。」
ウルフ戦の最後の魔法(?)のせいでヤマトの服は所々燃えて穴が空いていたりとボロボロだった。不思議なことに炎の中心にいたはずなのに全身火傷になっていなかった。服が全焼して裸にならなかっただけましなのだが、服は血まみれ。気持ちが悪くてしようがない。ちなみに全身火傷にならなかったものの火傷自体はそれなりにあったそうだが倒れている間にリコが治癒魔法で治してくれたらしい。
「あいにく持ち合わせてる布がないんだ、我慢してね」
「すまん、贅沢言いすぎだった。」
リコがそう、申し訳なさそうに言ったのであわててヤマトが取り消した。
「それともボクの服着る?」
ゴクリ
あっ
「いやいやいやいやいやいやいやいや無理でしょそれは!」
リコは膝が隠れるくらいのソックスにミニスカ、シャツ、胸の防具、そんなものしか着けてない。1枚でも脱いだらアウトである。
「冗談、冗談」
「おまえなあ、そういうのはよくないと思うぞ」
「はいはい」
2人は足並みを揃えて西に向かう。
ヤマトがテトリクスにきて初めて到着する街、リンティーへ。