レギュレーション
レギュレーション
「平和って存在すると思う?」
「君はどう思うんだい?」
「僕は存在しないと思うな」
「どうしてだい?」
「だって今の世を見てご覧よ、あちこちで戦争紛争、平和とされる国だって事件でありふれてる」
「それは危険なのかい?」
「危険だろうよ、いつ命を落とすかわからないんだ」
「命を落とさなければ平和なんだね?」
「そうじゃないさ、恐怖に心を少しでも脅かされていれば平和とはいえないだろう」
「穏やかな世界が平和なんだね?」
「そうさ、万人が安心する世界が平和な世界で間違いないだろう」
「そうか、では世界を平和にはできないのだろうか?」
「無理だね、人には感情がある。怒りや妬み、表現しきれない様々な感情で誰しも争う」
「果たしてそうだろうか?」
「間違っていないだろう、少しでも感情が苛烈になれば摩擦が起きる」
「それは君がそうだからかい?」
「そうだよ、僕もだし君もだろう」
「なぜ決めつけた、それは君の中の争いの定義だろう?」
「平和の定義をさっき言ったように設定するならそうでなければならないからだ」
「本当にそうか?」
「じゃあほかにあるのか?」
「あるとも、誰しもが穏やかに、安心して過ごせる世界の作り方」
「そんなものがあるというのか?」
「あるとも」
「教えてくれないか?」
「その身を委ねる覚悟があるのならば」
「どういうことだ?」
「安寧を求める勇気があるのならば」
「ああ、あるさ。平和を求めない人間なんていないだろう?」
「なら思えばいい、ひたすらに、この世は平和であると」
「?」
「ただ信じろ、君は安寧に生きる者だと」
「」
「そうすれば、平和は君の手にある」
当惑と詭弁による崩壊と奔流