1話 幼女×居宿先
一週間フレンズの映画を見て来ました。そのお陰で良い案が思いつきました。
本編は、異世界生活開始です。行き成り色々な事が起きて大変
目の前には、洋風の建物が立ち並んでおり。
因みに、今、手にはカバンを持っているだけ。
歩きながら左右上を見渡していると、あることに気付いてしまい。
「そう言えば、居宿場所が無いんだった」
それもその筈、秋まで神様の事を信じて無かったから仕方がない。
其処へ一人の幼女がやって来て。
「どうかなさったのです? それに変な格好です」
「え~と、その道に迷っっちゃって。格好は」
外見は恐十代前半だろうか。恐らく十一、二歳程度の小さな少女が声を掛けて来て。僕から見た感じ、身長は、百三十六、七㎝だろう。
髪型は、ストレートスタイルで、髪の長さはセミロングである。髪の色は金髪で、目の色は青だ。格好は、紫色で水玉の付いたワンピースを着て、、手には小さな兎の絵柄の鞄を持つ。
「どこに行こうとしてたのです?」
「居宿先が無いから不動産屋に行こうとしてたんだ」
「ふどうさんや?」
「あ、その・・・そうそう、居宿するところを探してるんだ」
ここが異世界であることを思い出して、言った言葉を言い直す。
「もしよかったらですが、私の家に来たらどうです?」
「それは悪いよ。だって、ご家族が突然やって来た僕を、居宿さしてくれないと思うよ」
「・・・・・・両親は、ママとパパは仕事の関係で、森の先にある洞窟を調べていたらアルディガに捕まって、むしゃむしゃボリボリと食べられたです」
両親の事を聞かれて少し間を空けて、悲しそうな顔を見せながらも、食い殺されたと語った。
アルディが? 何だろう。と僕は思ってしまい。
「じゃあ、君は一人?」
「否、動物達と一緒に住んでるです。後、偶に親戚が様子を見に来るです」
「分かった。君の家に居宿させて貰おうかな」
「はい、宜しくです」
アキトがその幼女の悲しい話を聞いてそう聞くと、動物と住んでると言うので、迷う事無く、その子の家に居宿させて貰うと決めて。
「今更抱けど、自己紹介が未だだったね。僕の名前は、ヒメギ・アキト。お金は半年分はあるんだ。それで、君の名前は何だい?」
「あ!はい。私の名前は、セルリア。セルリア=エリック=ノンです。年齢は十一裁です。半年分しかないんです? お金」
「あ? うん、僕、後半年しか生きれないから」
それを聞いた、セルリアは行き成り衝撃発言を言われて立ち尽くしていた。辺りは、しーんと静まりかえってしまい。
セルリアの家に向かう道中
あの後、少ししてから、あたふたしていたセルリアだったが、「其れじゃあ、行きましょうですっ」と言って、歩き出して、何かのお店があるがあちらこちらにあるが字が読めないので買い物には苦戦し要られられると感じるので。
良い匂いがするな。何の匂いだろう?
「あのさ、セルリアちゃん。この匂い何かな?」
「この匂いです? これは、ドラゴンのステーキです」
「へえー美味しそうだよな」
「後で一緒に買い物に行くです?」
アキトが聞くと、セルリアが教えてくれた。美味しそうだと零すアキトに買い物に付き合うかと聞かれた。
アキトは、うんと頷く。
「では、決まりです」
「お家遠いんだね。あそこで何してたんだい? 僕が言うのもなんなけど」
「えっとですね。ちっと言い難いのです」
「うん、分かったよ。三十二年間生きてきた経験からすると、迷子になってたんだな」
「実はそうです。この町が広くて」
セルリアが嬉しそうに言うと、未だ歩き続けてるので僕が聞くと、もう一つ謎があったのを聞く。
アキトが、経験を重ねた成果を発揮すると、予想通り迷子らしくもじもじしながら告白した。
「因みにだけどさ、今向かっている方で良いんだよね」
「はい、大丈夫です。多分です」
「それは大丈夫とは言えないね。何か手掛かり解かないのかな? この町に来た時の」
「えっとですね」
向かってる方角すら怪しいと踏んで、聞こうとしていると、そこに一人の恐らく案内人見たいな人が来た。
「何かお困りのようだね。何かありましたか?」
「この町からの出方が分からなくて」
「そうでしたか。では案内しましょう」
「宜しくです」
案内人が先頭で現実世界でいう商店街のようなところを抜けて、住宅街も抜けると、やっと出口に辿り着き。
「また、困ったら申しつけ下さいね」
「助かりました」
「ありがとうです」
案内人に感謝を告げると、今度こそ家に向って帰って行く。
「次からは、アキトさんに頼るのです。道は」
「あ、うん。任せといて」
この町は多分もう大丈夫だけど、他の所はこの子が本当の方向音痴だったら、素人な僕は無理だよ、とアキトは思い。
「そう言えば、今何時なんだ?」
「十一時です」
「そろそろお昼御飯だ」
「お家に着いたら、お昼ご飯を作るです」
セルリアがそう言うと、歩くスペースを上げ。
今歩いてる周りは、畑に囲まれた道だ。
そして周り畑に囲まれてたのが晴れると、一軒の家が現れ。
「セルリアちゃん。あそこの家?」
「はい、あの家が私の家です」
セルリアがそう言うと、やっと着いたかとぐたっとなってしまい。
「只今です。良い子にしていたです?」
「今日からお世話になります。可愛い犬? だな」
家の中に入ると、僕の住んでた世界で言うマルチーズ位の大きさの犬らしきものがが飛付いてきた。
そして部屋に入って行った。
「この子たちが一緒に住んでるって言う動物達?」
「はい、そうです!」
「何て名前なのかな?」
「この子が、コタロウです。で、このメスの女の子は、メアナです。こちらの子が、リンです。最後のあの子がキバリオです。それにしても、アキトさんに凄く懐いてるです」
ネーミングセンスが、日本人が付けそうな子も居れば、この世界らしい名前の子も居るなと、僕は思った。
アキトの周りに寄り付いて来るのを目の辺りにして、動物に懐く性格だなとセルリアが感じた。
「うん。そうなんだ! 昔から動物には懐かれてたんだ。セルリアちゃんも同じだね」
「これは運命です」
「うん。そうかもね!」
セルリアが嬉しそうに言うと、アキトはニッコリと頬を緩めて笑う。
傍から見ると、アキトがロリコンのようにも見える。
実際は違う筈だ。
「では、私は料理を作るです」
「分かったよ。じゃあこの子達と遊んでおくよ」
部屋の構造は、今いる所が、居間の様だ。其の隣の部屋は、セルリアの部屋だと思われる。
「あのさ、セルリアちゃん。僕の部屋は何所かな?」
「あ! はい、そうです。こちらです」
そう言って案内されたのは、父と母が前までいた部屋で。
「悪いよこの部屋は。だって、両親のいた証の物が沢山あるからさ」
「そうです? なら、私と一緒の部屋で良いです?」
「それはそれであれかと思うけど」
「アレです?」
両親の写真、遺物、段ボール箱などが置いてあり。
そこは悪いと言うとのことなので、アキトにセルリアは、自分の部屋を進めてきて。
――僕みたいな三十二歳の男が、一緒の部屋は、問題が有り有りな気がする。
だけどセルリアは、あれと言う意味が解らず。
「どうして問題あるのです?」
「何て言うか、僕の居た所ではそう言うのを羨ましがるロリコンという人がいるんだよ」
「ロリコン??」
「他に部屋無いのかな?」
アキトがそう言うと、首を横に振る。
「分かったよ。一緒の部屋で」
「了解です。それでは、私は料理を作ってくるです」
それだけ告げると、キッチンの方へと向かって行く。
――その間に僕は、四匹のマルチーズ位の犬と戯れて居る訳だ。
「そう言えば、家族とか医者、後、加須寺が心配してるかな」
と思って、スマホをポケットから取り出す。
「あ、母さんからライン来てる。『今どこにいるの? 先生も心配してるのよ』そう言われてもな。帰る気ないからな。『御免、帰るつもりないから』と送った。加須寺からも来てる『おい、膵臓がんだってな。聞いたぞ。自殺とかは勘弁してくれ。会社はどうするんだ』そうだったんだ」
『そうだったのか。自殺はしないよ。会社はいけないから辞める』と送信した。
その後も、色々していると、昼御飯の準備が出来た様でこっちにやって来て。
「あのです、その手に持ってるのは何です? 見たこと無い物です」
「これか! これは、スマートフォン。略して、スマホだよ」
「スマートフォン? 略してスマホ?」
「えっと、僕の住んでた所ではこれを使う人が多いんだ」
セルリアが、アキトの手に持ってる物を見て、目を輝かせて聞いてくるので。どういうものかの説明をして。
「まあ、それは後ででいいのです。お昼御飯にするです」
「うん。そうしよっか」
二人そろって、食卓へと移動し。
食卓台の上には、見たことのないものが数多く並ぶ。
「では食べるです」
「戴きます」
二人は食べ始めた。
「何だ。これ?」
「プレックのお肉です」
「ブレック?」
「ブレックを知らないのです? ブレックは見ての通り、ペガサスの仲間みたいなものです。この国では有名です」
見た事の無いお肉に、目を白黒させれると、聞き慣れぬ動物? の名前が出てきたから聞き返す。なので、セルリアが教えてくれて。
「パクッ……ん~」
「お口にあったです?」
「うん。美味しいよ。こんなに料理が上手なら、きっと良いお嫁さんになるよ」
「それお世辞です?」
「否否、お世辞じゃない。ホントに美味しいよ。」
――僕は、他の観た事の無い料理に手を突けて言う。
セルリアが照れ臭そうにしていたようで。
「もうお腹一杯です」
「僕ももう止めておこうかな」
「では冷蔵庫に入れて置くです」
「いいよ。僕がやって奥から」
アキトが言うと、お言葉に甘えて、皿洗いの方をしに行く。
アキトさんて優しいです。と、セルリアが思う。
彼は、全て仕舞い終えると座布団の上で寛いでいた。
其処に、洗物を終得た、セルリアが机を挟んだアキトの前に座り。
「今更だけどさ、この国って何て名前なのかな? 後今いる所」
「それも知らないんです? この国は、中央バルセクリアス王国です。で、ここら辺の村の名前は、シェルタン村です」
「何と無くだけど分かった。この国が中央バルセクリアス王国っていう国で、僕たちの居る所がシェルタン村の一角なんだね」
「はい、そうです。それにしても、この国の事も、この地域の構成も知らないなんて、何処から来たです?」
やはり来たか、異世界定番の質問だ。これ素直に答えても混乱させるだけだし。信じて貰えない奴だ。
「東の国かな」
「東の国です? ヒレリオ王国です⁉」
アキトが咄嗟にその国の名前を言うと、セルリアが聞いた事も無い王国名を口にして。
国を疑われる事も無く、そのの話しは区切りをつけて止めさせた。
―――ヒレリオ王国って、そんなに驚かれるところなのかな?
それから、セルリアは、何か忘れてるようなと悩んでる素振りを見せてから。
「セルリアちゃん。買い物行こっか!」
「そうだったです。何買に行こうです」
「決めて無かったんだ⁉ 行ってから決めれば。あ、でもどこに行こけばいいか分からないな」
「そうですね。彼方此方回るです」
悩んでたセルリアにそう声を掛けると、思い出したように言い。
しかし、何を買うか決めて無いので、行くにも何処から行けばいいかわからない。
結果、彼方此方回ることになった。
「準備で来たです?」
「あ、うん。準備オーケーだよ」
というわけで、家を出て出発した。
「先ずは、買い物するです」
「これから半年間で必要な物買わないとな」
「そうです。先ずそれを買いに行くです」
と言う事で、僕の住んでた世界で言う、ホームセンターへ向かう。
辿り着いたホームセンターの大きさは、僕の知るホームセンターよりも一段階大きく。
中に入ると、獣が居た。頭には耳が有った。結構危なそうな奴。
その獣は、牙を剥き出しにしていた。爪も研ぎ覚ましていて。
「あれ、絶対危ない奴だよな」
「そうです」
「否否。大丈夫ださ。人を襲ったりしません。歓迎しているださ、こう見えて」
不意に後ろから声が聞こえて振り向くと、四十代であってるだろうか? それ位の年の男性がドアの前に立っていた。
「貴方は? どこかで見た事あるです。でも誰だかです」
「あ! やっぱりセルちゃんださ。覚えてないかなださよな。俺は、モラル=トーチャン=ユニセだ。この店の亭主。で、セルちゃんの隣にいる彼は?」
「その名前で思い出したです。こちらは今日から私の家で住むことになった、ヒメギ・アキトさんです」
「ヒメギです。どうも。お知り合いだったんだな」
セルリアが、その男性を見て見覚えがあったらしく、その男性は、やっぱと、言って、改めて自己紹介をした。
モラルは、隣にいる僕を指さして聞いて来ると、セルリアちゃんが説明して。その後僕も挨拶しすると。
「そうかそうか。まあ、楽しい買い物してださ」
モラルはそう言った店の奥に姿を消した。
「では、先ず何から買おうかな」
「そうですね。マイ箸とかです。他にも、、茶碗とか、コップ、歯ブラシ」
「じゃあ、それから手に入れるか」
箸のコーナーへ行くと、箸の種類も多い。一番シンプルな恐らく、異世界文字で中央バルセクリアス王国と書いてあるのにした。次に、茶碗のコーナーを観に行く。
「茶碗も色々あるな」
「これなんてどうです」
そう言ってセルリアが渡したのは、ドラゴンがこまめやかに再現された奴だ。
「うん。この絵気に入った」
「それじゃあ、決定です」
次にコップを選びに行き。
何て書いてあるかは不明だが良いのでこれにした。
それから会計を済まして、次に買うお風呂グッズの売り場に行く。
「これなんだろう」
「これです? これは、体を洗う道具です」
「そうなんだ⁉ 痛そうな見た目だけど」
アキトが呟くと、セルリアが教えてくれた。
ごつごつしたものなので、痛いと思ったが。
「あ! 全然痛くない」
「そうなんです。見た目とは違うです」
「どれにしようかな。種類が多くて迷うな。お勧めはどれかな」
「これなんてどうです? シンプルで良いと思うです」
セルリアに聞くと、シンプルな水色の奴を渡された。
「うん。これにしようかな。後は、シャンプー」
「シャンプーです? どういうのが良いです?」
「普通ので良いかな」
そう言って普通のシャンプーを棚から取り出す。
「後、必要なのはタオル位かな」
「そうです」
そう言うと、タオル売り場へ向かう。
タオルも品ぞろえ豊富でどれにするか迷うほどである。
「決まりましたです?」
「そうだね。これにしようかな」
ドラゴン柄のタオルにしたようだ。
「格好良いです」
「そうかな。嬉しいな」
セルリアの評価に、三十二年間一度も言われた事の無い事に嬉しそうな顔をする。
「それでは、会計に行こうです」
「うん。そうだな!」
そう言って、レジに向った。番が来ると会計を支払い、店を出た。
「次は、何処のお店に行こうか」
「そうです!後は、パジャマです」
「パジャマは良いよ。この格好で」
「でも、洗うから駄目です」
――僕は渋々付き合うことになった。と言っても自分のパジャマなんだけどね。
歩くことに十分弱。やって来たのは、アキトの住んでいた世界では余り見かけない、パジャマ専門店で。
「色んな種類があるんだね」
「其れはそうです」
中に入ると、見た事の無いメイカーのパジャマだらけだ。
「どれにしようかな」
「凄く悩むようです」
「うん。パジャマは昔から凝ってるんだ」
「珍しいです」
「そうだよな」
セルリアが言うと、やっぱりと自覚するアキトだ。
「でも、素敵です! そういう凝ってる物が有って。私そういうのないです」
「これから見つければ良いんじゃ無いかな」
「はい、そうするです」
アキトのそう謂うのを素敵と感じたセルリアだった。自分には持ってないものを持っていると言うと、アキトは自分が思うことを伝えた。効果はあったようだ。
「あ、このパジャマ良いな」
「これです?」
「そうどうかな」
僕が選んだのは、現実世界で言うメンズパジャマ。長袖長パンツで先染サッカーチェックなんだ。
「良いと思うです。色は、ネービーブルーで良いです?」
「うん。この色が気に入ったんだ」
「なら決定です」
悩むこと三十四、五分、漸く決まったようで。
色について確認してくるセルリアにアキトは、問題なさそうに応じ。
「決まったことだしレジに行こうか」
「そうです!」
という訳で、レジにやって来た。今がどの季節か、この世界では何て区別してるかは分からないが、気候からして、冬の始まりかな.
現実世界は夏だけど。その所為か、列は長蛇の列だ。
「この世界でもこんな長蛇の列は出来るんだな。どの世界も同じなんだね」
アキトがこの列を見てそう呟く。
「あ、でも流石に、獣人は居ないけど」
「ん・・・? 何か言ったです?」
「否否、何でもないよ」
流石のセルリアも、ぶつぶつ言ってるアキトに反応を返す。
何でもないと誤魔化し。
「それにしても、全然進まないな」
「そうです」
全然進まないことに、痺れを切らしていると、
「お客様困ります。出来ないものは無理なので」
「良いだろう。この商品を安くしてくれれば良いんだよ。後、この前、ここで買ったパジャマじゃやっぱり合わないから返品する。だから安くしてくれ。じゃ無きゃこの店を壊そう。この剣で、この剣はそこらの剣とは比べ物にならない程に強いからな」
「どれも困ります・・・・怖い」
「それじゃあ仕方ないだろう」
遠目でその光景を見ていたアキトは、
「一寸行ってくるから、セルリアちゃんはここで待っててね」
「え⁉あ、分かったです」
そう言ってアキトは、レジの先頭に向い。
「僕と貴方、恐らく同じぐらいの年齢ですよね。店員さんが出来ないって言うと、逆切れする。見ていて恥ずかしいよ」
「何だお前は? 見かけない格好だし。この辺の者じゃねえな」
「僕ですか。僕は、唯の今日この村にやって来た。ヒメギ・アキト。三十二歳だよ。仕事は無職」
「そこまで聞いてねえだろう。そうかそうか、今日来たばかりか。それも無職」
「仕事しても、後、半年しか生きれないから、お金が無駄になるんだ」
アキトが言うと、その男は、まだ止めようとはせず。
「そんな噓で、この俺に止めあせようというのか。とんだ的外れだ。この剣で切り刻むか」
「否、噓じゃないから。本当だから。そんな僕の言う事を聞かないのかな。物騒な物は仕舞ってよ」
「俺に関係は……。頭が…そうだ。俺の母ちゃんも、もう半年しか生きれないって言ってたんだ。俺が悪かったよ。ヒメギ・アキトだったっけ?」
「うん。そうだけど」
「大切なことを思い出させてくれてありがとう。君も半年間良い思い出を作れよ。こんな俺が言うのもなんだけどさ」
男は、自分が馬鹿な事をしていたと気付き、アキトに感謝を告げる。それから、その男は、その値段の通りに会計を支払い、後、持って来たパジャマを持ってお店を出て行く。
「ありがとうございました。御陰で助かりました」
「否否、良いんですよ。困ってる人を見捨てるなんて普通出来ないものなんでね」
「それで、さっき話していた事って本当なんですか。店員が聞く事ではありませんが」
「あ、うん。本当の事だよ」
店員にお礼を言われて、お互い様と言わんばかりな態度をすると、店員がさっきの話の内容に触れる。
その答えにその通りと言う返答を返す。
「其れは‥‥何て言ってあげればいいか‥‥」
「良いんだよ」
店員が言葉に詰まっていると、良いとキッパリと言い。
「それにしても凄かったね」
「あんな悪い奴を成敗するなんて、恰好良いな」
「めっちゃ凄かった」
「この店の英雄だ!」
それを見ていた他のお客から、それぞれ高評価を付けて。
味わった事の無い快感に、浸っていると、思い出したかのようにセルリアの元に戻ると。
「連れが居たんだ」
そうお客が呟く。
「とても恰好好かったのです」
「うん。そうかな」
「そうです! あんな悪いお客さんを大人しくしたんです。ですが……」
セルリアがアキトに惚れるほどに格好良い所を見られて、そう口にすると、又も照れ臭そうに、鼻を掻く。
そして、理由を言った後、言葉を区切ったセルリアが、もう一度口を開いて、
「本当だったんですね。半年で死ぬってです」
「あ、うんそうなんだ。好きで死ぬ訳じゃ無いんだけどね」
「じゃあ、何故半年でです?」
「行って解かるか分らないけど、がん何だ」
案の定首を傾げたのであった。がしかし、
「聞いた事は有るです」
「へーこの世界にもがんが有るんだ」
衝撃の事実に、僕はセルリアちゃんに気付かれない程度に驚いた。この世界にもがんが有るんだなと、もう一度繰り返しいて現実世界と似て寄り付いてると、アキトは、思ったのであった。
「あ、次、僕達の番だよ」
「そうですね」
そう言って番が来ると、
「さっきは、本当にありがとうございました。お隣の小さな子はお子さん?」
「否否、僕が、居宿させて貰ってる家の子だよ。今まで一人で住んでたんだよ」
「そうだったんですね。この店の英雄は、ロリコンと」
「今、何か言いましたか?」
そう聞かれると、首をように振って言って無いと言い。
アキトが気付かぬ間に、この店員にこの店を救った英雄で有らぬロリコン疑惑を掛けられることに。
会計を済ませると、お店を出て、アキトは買った荷物を全部持って、セルリアは家から持って行った鞄のみ持って、セルニアの家に帰って行く。
――家に帰ると、辺りは陽? が沈み掛けていた。
急いで買った物を出して、あれこれ準備し終えると、セルリアが、晩御飯の準備を始めた。僕はお風呂を入れた。
それを見ながら、うん、と頷いた僕は、セルリアの直ぐ傍らまでやって来て、
「野菜切るの手伝うよ!」
「悪いです」
「良いから良いから、ほら!」
セルリアは、渋々立つ位置を変えた。未だ、手付かずだ。
ザクザク、ザクザク。
良い感じに切れた。
「どうかな?」
「上手です」
「実家に居た時は、料理の手伝いしてたんだよ」
「そうだったんです!?」
野菜の切り具合が良く、セルリアが褒めると、実家で積み重ねていたお手伝いスキルの御陰だと言う。
それを聞いて驚くが、これで少し楽になるなと思い。
「後は、私がやるです」
「うん、分かった。お風呂止めて来る」
後は仕上げだけだから、と自分がやるとセルリアが言うので、後は任せて、食器の準備と、ご飯の準備をした。
茶碗を用意して、コップと箸の用意も。
これで僕の準備完了。後は、セルリアちゃんの方だけだなと思う。
「野菜のスープが出来たです」
「それじゃあ、ご飯も盛そうね」
セルリアがスープの完成を伝えて、容器に移し、アキトは、二人のお茶碗にそれぞれご飯を盛そったのであった。そして、食卓の上に持って行く。
「それじゃあ、戴きます」
「戴くです」
席に着いた、アキトとセルリアは戴きますの挨拶をして。
「このスープ美味しいです」
「最後以外僕がやったけど、どれどれ・・・うん。美味しい」
「上手く切るコツ今度教えてです」
「うん。良いよ」
スープを飲んだ感想は、どちらも良い評価だったのだ。自分で作った料理であるものの。
他のおかず(昼の残り)や冷蔵庫に入っていた物を食べるので。
「ご馳走様」
「ご馳走様です」
御馳走さまをすると、洗物を片付けて、
「僕が洗うよ」
「否、先に入っててです」
「先に入ってて? まあ良いや。うん。そうする」
そう言い残して、アキトは脱衣所に向った。
セルリアは、残りの洗物を洗うとあれこれ準備した。
全て脱ぎ終えると、今日買って来た、シャンプーとスポンジを持って行く。
お風呂場に入ると、冷えた体をお湯を掛けて温めて、次に体をスポンジで現実世界で言うボディーソープを付けて洗い。
セルリアはと言うと、脱衣所にやって来て、衣類を全部脱いで入る準備をし。
そして、ドアを開けたて。
「お待たせです」
「え⁉ ちょ、何で入って来てるのかな」
「駄目です?」
「そうだね。駄目って言ったら駄目なんだけど、そう、僕の居た所では、知らない人と小さい子とこういう事とかは、犯罪なんだよ。性犯罪」
目の前には、裸のセルリアが立っている。咄嗟に視線を変えるも、独身の僕には目に毒だ。
アキトの言ったことを聞いて、しょんぼりとした表情で聞くのだが、流石のアキトも今回は自分の世界の常識をきちんと教えるも、はてなマークを浮かべていて。
「性犯罪です? 何です? 知らない人って、アキトさんはもう家族みたいなものです」
「性犯罪は、まだ説明は早いよ。年齢的に、家族って言ってもらえるのは嬉しいな」
「それより次使うです」
「あ、待って、髪の毛洗ってないから。って、話聞いてた? 良いんだけど」
セルリアに誤魔化されそうだったのに気付いて、さっきの話し御意味があったのかを聞くも、まあ良いと言う。
そして、彼女に急かされ、急いで、が、洗い残しが無いように綺麗に洗い。
そして湯船に浸かる。
「湯加減どうです?」
体を洗いながらセルリアアが聞いてきて。
「うん。良い感じだよ」
僕はそう返した。
セルリアも体を洗い終えて、髪の毛を洗った。そして、湯船に入って来た。大きさ的にきつくはないサイズである。
目にやり場が困ると、アキトは困り。
「どうして、そっちを向くです?」
「其れには大人の事情があるんだ」
「どんな事情です?」
「それは言えないよ」
セルリアは、無垢な少女だと改めて知らしめられた。
「気持ちいいです。疲れが取れるです」
「その言い方、別の意味に捉えれる。まあ、僕も疲れたよ」
「同じです」
二人共疲れた様子で。
「それでは、出るです」
「そうだね」
セルリアが言うと僕も一緒に出た。
脱衣所に出ると、体を拭いて着替えを済ませるのだ。
そして二人で歯を磨く。
それが終わると、布団に入った。
「どうだったかな? 今日は?」
「楽しかったです。私の家に居宿させて良かったです」
「それは良かった。そうだ、写真撮っていいかな?」
「お昼に見せてくれた、スマホ? でです?」
うんと頷くと、
「どういうポーズをとればいいです?」
「うんとね。普通で良いよ」
「普通です?」
「じゃあこれやってね」
そう言って、日本流のピースを教え。
「はいチーズ」
カシャッ、これで完了。
「どうです?」
「はい!」
そう言って、撮った写真を見せると、
「これが写真です? 凄いです。こんな文明があるんです?」
「そうかな」
――これが普通なんだけどな。僕の居た現実世界は。
とアキトは心の中で思う。
「では、お休みです」
「あ、うん。お休み」
セルリアがお休みを伝えると、アキトもお休みを伝えて。
――異世界って良いな。
と、アキトは実感した。
そして、異世界初日が終わり。それと同時に残りの人生が五ヶ月と三十日になった。
次回は、私服を買いに行く話の予定です。