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少女によるプロローグの続き

少女と運転補助機は時速360キロで歩いた。

「はやいね」

『はい。』

そして、一般市民の居住区から遠く離れた、研究所エリアに来た。

研究所エリア、ロボットを開発する場所である。一般市民が見学出来る場所も少しはあるが、殆どは企業秘密の為立ち入り禁止である。

『侵入不可エリアに到達しました。』

「はいっちゃえ!」

??「おい、捕まえろ!」

「まずい、逃げて!」

『承知しました。』

黒い影達が少女と運転補助機を追いかける。少女達は必死に逃げ、華麗に攻撃を避けつつ前に進んだ。

「大丈夫?」

『問題ありません。』

突如、目の前に黒い影達が現れた。武器を持ってこちらに向かってくる影達に恐れ戸惑う少女に対し、運転補助機はしっかりと対応する。

「どうしよう…」

『私に捕まって下さい。』

補助機は少女を機体に固定し、猛スピードで黒い影達に突っ込んで行った。

何故か嬉しそうに、懐かしそうにしている補助機に少女は驚いた。

「わらってるの?」

『以前にもこんなことがありました。』

「へー」

少女の家に行く、かなり前のことなのだろうか…

「彼女」は微かに微笑んだ。


黒い影達をなぎ倒し、2人は進む。

「くろいかげってなんなの?」

『人間ではありません。』

「じゃあなに?」

『実体があるようでないモノです。』

「ふーん、へんなの。」


「あっ…」

お喋りしているうちに黒い影は消えていた。変わりに目の前に老婆が現れた。

黒い影が彼女達を止まらせる為に近くの民家から拉致してきたようだ。

「どうしよう、止まらないよ…?」

『問題ありません。』

「人間だよ?」

『そうですね。』

「当たるよ…?」

『当てません。』

そう言ったかと思うとすぐに補助機は空に向かって飛び立った。スレスレで老婆をかわし…そして老婆を道路脇に運んだ。

『お久しぶりです。』

老婆「あなたは…」

『先生、お変わりありませんか?』

老婆「ええ…」

少女「先生?」

老婆「あらあら、かわいいお嬢さんだね」

『私の所有者です。』

老婆「昔の彼女そっくりね」

少女「…えっ?」

老婆「詳しくは聞かないし何も言うつもりはないわ、もう追っ手が見えてるからはやく行きなさい」

少女「うん…」

『お嬢様、行きましょう。』

「けど、うしろ…」

『排除しますね。』

補助機は後ろに金属棒を伸ばし、黒い影達を一掃した。暫くは追いついて来ないだろう。

少女「お姉ちゃんすごいね」

『私は機械です、お姉ちゃんではありません。』

「ううん、お姉ちゃんだよ!」

『何故ですか?』

「だって、にんげんの女の子とおなじじゃん!」

『私はそれを模倣しているだけに過ぎません。』

「でも…うれしくなったり、わらったりするじゃん!」

『…感情とは不便なものです』

「えっ?」

『いえ、忘れて下さい。』

「んー…」


「お姉ちゃん、悲しいことがあったの?」

『はい?』

「泣いてるよ?」

『ええ、原因不明の異常が起きていますね。』

「泣かないで?」

『どうやら出来ないようです。』

「なんで悲しいの?」

『それは…』

『言わないと駄目ですか?』

「えっ…」

質問返しに少女は驚いた。まるで「ホンモノ」の人間のような反応、「彼女」に一体何があったのだろうか…?



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