小さい頃からの夢
第二話「小さい頃からの夢」
いつも寝る時に見る夢があって。
その夢を見ると朝起きた時には泣いてるの。
“お前は言う事を聞かん奴だっ!!”
バシッ!ガツッ!
鈍い音が鳴り響く部屋の中。
“ごめんなさい…ごめんなさい…”
お母さんが泣いてる。
私は部屋の隅っこで何も出来ないまま。
お父さんがお母さんに暴力を振ってる場面ばかり。
“どうして俺の言う事を聞かないんだっ!!”
そう言って私のお母さんを打つ。
お母さんの顔と腕、手や足には青痣が出来てる。
お父さんの暴力からはどうしようも出来ないんだ。
-----――弱い私は助けられない――-----
大切なお母さんさえも助けられない。
弱虫で馬鹿でアホな私に力なんて無い。
だから私は自分もお父さんも大嫌い。
あの頃の私はお母さんだけを信じてきた。
それなのに私はお母さんにアッサリと裏切られた。
“この人が貴女の新しいお父さんよ”
私がまだ物心がついた頃にはお父さんとお母さんは離婚していた。
そして、お母さんは次の年くらいに私の目の前で新しい父親を出した。
“よろしくね”
最初は良い人そうで優しい感じがあった。
それなのに、新しい父親は私のお母さんが
居なくなった途端に私の躰を『犯し始め』たんだ。
“幸華ちゃんは可愛いね…はぁ…はぁ…”
気持ちが悪い。
吐き気がする。
誰か助けてよ。
まだ未発達段階の私の躰は偽物の父親の
手によってジワジワと次第に黒く汚れていった。
気持ちいとか?
イったとか?
そんな言葉を言われて私の精神は追い詰められた。
意味が分からない、何で私がこの人にヤられなきゃならないの?
-----――男なんて、大嫌いだ――-----
小さい頃からの私の決意だった。
誰も好きにならないし恋もしない。
“幸華ちゃん、幸華ちゃん、イくよっ…!!”
嫌だ、嫌だ、止めて、お願いだから。
私の躰の中に汚い体液を入れないでよ。
―――――
「……か、こう…か…幸華ちゃ…幸華ちゃん…?」
「……え…あ、美紀お姉ちゃん…?」
「大丈夫…?魘されてたわよ…?」
また…あの夢を見たんだ…。
小さい頃からの夢が今も見るなんて…。
「ふぅ…ごめんなさい、もう大丈夫だよ」
「…無理、してるの…?」
「…ううん、本当に大丈夫だよ」
自然に笑みが溢れた。
苦しい顔なんて見せない。
そう小さい頃に決めたんだ。
-----――男も女も全員信じない――-----
唯一、信じるのは義理の姉の美紀お姉ちゃんだけ。
美紀お姉ちゃんだけは私の本心を知ってる。
「…ほ、ほら!幸華ちゃん、朝ご飯出来てるから早く支度しなきゃ!」
「あ、うんっ!今日は日直だったんだ、急がないと!」
私は、三木谷幸華。
高校二年生の普通すぎる女子。
学校では学級委員長をしています。
実の父親と母親は私が物心ついた頃に離婚。
母親は離婚して次の年に新しい男を作り結婚。
その男に私は犯され何十年もされ続けた。
「幸華ちゃん、お弁当、忘れないでね」
「うん、ありがとう、美紀お姉ちゃん!」
私はその男から逃げる為に年の離れた
義理の姉の美紀お姉ちゃんの所へ逃げ込んだ。
過去から私は逃げてしまった。
だから、小さい頃の夢を見てしまう。
一生、私から過去の傷を消させない為に。




