プロローグ
第一話「プロローグ」
ある少女は小さい頃から笑顔で過ごしてきた。
例え泣きたくなる出来事があったとしても。
-----――笑顔で居続けた――-----
それが少女の『定め』なんだ。
辛くても悲しくても絶対に耐えないと駄目だ。
少女がこれまで過ごしてきた世界。
酷いくらいに真っ暗で一筋の光さえ無い闇の世界。
どう足掻こうがどう泣き叫ぼうが少女の声は誰の耳にも届かない。
“ごめんね…”
どこか遠くに聞こえた声。
その声が自分の心の中の自分だと気づかない。
ただ少女は闇の世界を独り過ごす。
学校でも家でも自分の存在を嫌う少女は
自分を傷つけ、自分を痛めつけ、自分を壊す。
-----――私の存在なんて要らないよね?――-----
誰が必要するのか。
誰が愛してくれるのか。
誰を信じて想い続けようか。
親の暴力の中で育った少女に人を信じる気持ちなんて無い。
いや、心の何処かでは信じているのかもしれない。
それでも深く信じる事はしない。
信じれば裏切られるのが普通なんだ。
それならいっその事信じなければ良いんだ。
-----――誰も私を愛してなんか無い――-----
親の愛情さえも。
友人の友情さえも。
今までの彼氏からの気持ちさえも。
少女は受け取る事から逃げた。
心情を感じたとしても少女は受け取らない。
何故、受け取らないのか。
それは、全て酷い過去からの影響。
逃げられない真っ赤な現象を少女は何度も見た。
-----――人は怖い生き物――-----
それでも少女は恋もする。
友人達と笑顔で過ごしていく。
ちゃんと親の元で育っていく。
そして誰かを信じる。
だが、それは自分が本当に心から信じられる人のみ。
信じていないと言う自分と信じる自分の狭間に少女は立つ。
この物語は矛盾な気持ちを持ち
過去も今も未来さえも怖れて生きる
訳ありの少女の運命と言う名の奇跡の恋物語。




