そして私は~そして歯車は回る~
「な、何を言っているの?」
「すいません、お仲間に会えたものですから」
「屍人って何?」
「文字そおり死んだ人ですよ。死んで生き返った人ですよ」
「あなたもそうだと?」
「どちらも厳密には違うのかもしれませんが。少なくとも近い存在だとは思いますよ」
何を言っているのか理解できたが、初対面なのに、意外とズケズケと入り込んでくるんだなとは思った。
すると少女は気がついたかのように言ってきた。
「すいませんここ最近は、知り合いと話すことしかなくて私は普段からこんな感じなんです」
「はぁ」
もう何が何やらである。そんな混乱の極みにいた私は、
「お休みなさい」
「お休みなさい」
荷解きも何もかもを放棄して、夢の世界に逃げることにした。
翌朝、すべてを放棄した結果の荷物の山を見ながら私は目を覚ました。
今日からある授業を思い出し仕方なく荷造りした時の記憶を頼りに今日必要であろう、教材を引っ張り出す。
何はなくとも身だしなみなどとうるさく言ってくる人は誰もいない。
軽く髪の毛を整えるだけにする。
制服を着て、その取り出した荷物をカバンに入れると食堂に急いだ。
「おばちゃんまだまともなの残ってる?」
「おはよう、一足遅かったね。ま、今日のはまともだよ」
「そうなんだ」
「時々ひどいのが出ることもあるから注意しなよ」
「ありがとうございます」
そう言って棚に残っていた、朝食を手に取り、食堂の席に着く。
食べたら味は普通だった。
美味しいわけではないが、まずいなどと宣うほどではない。
速やかに朝食を終えて、そのまま登校していく鍵はもちろんかけておいた。
教室の殆どの席は埋まっていた。
ほどなく自分の席に座ると机の上に影がさした。何事だろうと思って上を向くと。
「昨日はよくも僕を無視してくれたな。「無視してなにが悪いのですか?こちらの話も聞かず、勝手を押し付けて、挙句に自分の妄想の中にこもるめんどくさい人ではないのではないのですか」・・・っ!!」
言葉の暴力に慣れていなかったであろう少年は、その憤りのままに右手を上げて。
しかし、その手が振り下ろされることはなかった。
その手を彼女が掴んでいたからだ。
どうゆうこと?
「貴方の行動を止めたことは申し訳ありません。ですが、貴方の行動は為政者になるものとして大変マイナスです。言葉は悪くとも言っていることは為政者に対しての進言です。きちんと受け止めて、何が悪かったのかきちんと考えなさい」
そう言って、少年を少年の席に戻していった。
彼女はそのまま自分の席に座ると教科書を取り出して予習し始めていた。
私は先生が入ってくるまでその光景にポカンとしていた。




