嵐の中の私~そして思惑が渦をなす~
一応の決着のすんだことでその後はスムーズに進みました。
それから日が落ち始めてきたので協力してテントを二つ作り、女子と男子に分かれて寝ることになった。
無論のことながら夜這いしようなどという愚かな男子は今のパーティーにはいません。
ええ脅しましたから、切るよ?と何をとは言ってませんが。
ほかのパーティーの方が来るかもしれませんので、ホイホイよろしく私が寝ているあいだに近づくものにはスタンスパークを与えるトラップを仕掛けさせていただきました。
効果は私が起きるまで、それまでに侵入した者はいかなる目的であろうとも、電撃トラップの餌食です。
それではお休みなさい。
あくる朝、朝日を浴びて周囲の状況を確認すると、
「たくさんいますね。何やってんでしょうかこの人たちは」
痺れて倒れている人たちが、それこそテントの近くまでたくさんいた。
何がしたかったんでしょうねこの人たちは、金とか地位とかに目がくらんだのでしょうか。
「全く、馬鹿馬鹿しいにも程があります」
飛んできた矢を弾きながらつぶやいた。
弾かれた矢が誰かに当たったようだが気にすることではない。
そこに人はいないはずなのだから。
テントをたたみ、本日は合同訓練です。
パーティーごとに分かれ、その適正と戦い方を評価していくのです。
まずは対魔物戦、先ほどと同じように戦っていきます。
貴族の方には自衛に徹してもらいました。
次に、それぞれのパーティーと戦うことになりました。
まずはじめが貴族だけのパーティー、気後れしたのが貴族の子一人だけだったので遠慮なく四人のコンビネーションを見せつけてやりました。
続けて、平民のみのパーティーに対しては先ほどの鬱憤を晴らすかのように突撃、後ろにいた私たちのことを無視して、挙句一対五の状況に追い込まれたところで貴族ごと爆撃、やられたはずのあちらが満足した顔をしていたのは気のせいだろう。
「・・・いいですか?あんなことをしてついてきてくるのは、よほどの馬鹿かよほどの信頼があるかです。後者は昨日の一件を覚えているのなら言わずもがなですし、前者に至ってはいまこの場いる誰よりも馬鹿なのが誰か・・・わからないとは言わせませんよ」
冷たい目で睨むと、さっと目をそらす貴族様。
それ以上は何も言わない、言っても無視するだろうし何より、
「ふん、生き残ってたのか」
あのバカが性懲りもなく来たから。