妬ましい恋の悪魔
いつからの事だったかは、
とうの昔に忘れた。
私のからっぽの体には、
一つの感情で満たされ、溢れている。
周りはそれを、可笑しいと言う。
それを『私』は否定する。
『私』は絶対に狂ってなんかいない。
「真也さん!好きです、好きです、好きすぎて死ねます!付き合ってくださーー「じゃあ一回死んでこい」そんなぁ、酷いですよう!せっかく私が真也さんのためなと思って朝からずぅーーっと待っていたのに!」
誰かコイツを何処か遠くへ連れていってくれ。頼むから。
この女、朝から学校で俺を付け回してはこの言葉を繰り返して言ってくる。
そのために、今、俺はソイツと鬼ごっこ状態。追いかけてくるから、逃げている。
こんな事もう、何回目だろうか。本当に迷惑だ。
「私、真也さんのために愛情弁当を作ってきたんです!どーですか?!ハート型のオムライスに真也さんへの私の無限の愛を表現しました!」
ソイツは廊下を走りながら、自分が作ったであろう弁当を見せてくる。
いや、実際俺は逃げている側だから見えないが。
本当、恋人でもないのに作ってこないでほしい。というか消えてほしい。
いきなり好きと言われて、俺も、何て言う奴がいるのならば、ほんと、尊敬してやるよ。
黙っていれば可愛いと思うんだがなァ。
「あ!」
「あ"?………ーーーンだコレぇえええ!??!」
突然、女が言葉を発したかと思うと、べちゃっと物が潰れたような音が頭の方からし、頭をさわってみると、黒々とした物体……いや、謎の物体Xが何故かのっかっていた。正確には、ぶちまかされていた。
「あぁ!私の真也さんへの愛が……!」
「…え?愛?嫌がらせじゃないの?」
「Sですか?!それでも私は真也さんを愛せます!!私、料理が結構得意なんですよ!!今日は特別上手く出来たんです!!」
コレ、あの女が作ったのか……。え?オムライスじゃねーよ。もはや物体Xだよ!
お願いだ。俺にコレを食べる勇気はねぇ。消えてくれよマジで。
「…あ、チャイム鳴りましたね。お昼休み、また来ますから!!!」
ナイス、チャイム。
女は、自分のクラスへと走って帰っていった。
こぼしたこと謝れよなァ。ま、あの女が消えたからいいとするか。
昼休み。また、アイツが来た。
「……
「