よく風邪を引いちゃうお客様
カラン、カラン
喫茶店のドアのベルが鳴り、お客様が入ってこられる。
「あら、お客様。お久しぶりですね。」
と、従業員の一人が笑顔で迎えると、
お客様は、少ししんみりした表情を浮かべた。
「どうかされましたか?」
と、別の従業員が訪ねると、お客様は苦笑いをしながら席に着く。
「いやあ、本当はもっと、頻繁に来たかったんですけど、風邪をこじらせちゃって。」
一度引いちゃうと、ずいぶん治るのに時間がかかってしまうそう。
「困っちゃいますよね。
これからもっと、インフルエンザとか、流行りだしちゃう時期でしょ?
ただの風邪でも私、こんなにやられちゃうのに。」
本当、困るわとお客様はガハガハ笑う。
それを聞いていたマスターは、そのお客様に、
『小松菜のサブジ』を提供する。
「あら、これは?」
「サービスです。回復されたお祝いということで。」
と、マスターが答えた。
きょとんとしているお客様に、すかさず、従業員の一人が話を続けた。
「小松菜は、消化力や免疫力を高めてくれるそうですよ。
少しは、風邪を引きにくくなるかもですね。」
そうなんですか、と、驚きながらも、
一口食べてみたお客様は、すぐにパーッと明るい笑みを浮かべる。
「あ、美味しい。
ずっと、仕方がないことだと思っていたけれど、
こうやって、できる対策をしていけばいいのね。」
あまりに嬉しそうにされるので、
すっかり店中の空気も、柔らかくなっていたのでした。




