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どこかの僕から、いつかのあなたへ
これから語られる物語は、後に大きな災いとなり、救いとなる。
歴史に名を残しても、少しずつ霞んでいく彼らの思い。
すべての命あるものが、その限り抱き続ける唯一のものは、死と共に終わりを迎えるのだろうか。
答えは今も、分からない。
―――確かなことといえば、何に囚われても、何に惹かれても、最後には必ずひとつの点で交わるということ。
いつかくるその瞬間のために、僕らは見えない明日へ歩み続ける。
たいして深くもない懐に、大切なひとの笑顔と未来をかき抱きながら。