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この町のネコ、やっぱりおかしい ー市立祢古小学校記録集ー  作者: 大西さん
第四部 深まる違和感(2023年10月)
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第100話 10月1日(日)

町の朝の風景 朝6時


早朝散歩の住民の視点


いつもの散歩コース。


でも、町の雰囲気が9月とはまた違う。


静寂は相変わらずだが、その質が変わった。


9月の静寂が「期待」だったなら、10月は「満足」の静寂。


多くの家の窓辺に、人影が見える。


いや、人影...だろうか?


シルエットが、少し違う。


耳の形?姿勢?


考えるのをやめて、足早に通り過ぎる。


コンビニ店員の朝番


朝6時、店を開ける。


すぐに客が来た。いつもの常連たち。


でも、買うものが先月とまた変わっている。


キャットフード、ペット用おやつ、爪とぎ...


「ペット飼い始めたんですか?」


聞いても、曖昧な笑みを返すだけ。


そして、客たちの手を見て気づく。


手袋をしている人が多い。


10月にしては、まだ暖かいのに。


何かを隠しているのか。


休日の公園 午前10時


犬を連れた散歩者の視点(隣町から)


いつものように犬の散歩で祢古町の公園へ。


しかし、犬が怯えて前に進まない。


公園には、いつもの「集まり」がある。


でも、9月とは明らかに違う。


人なのか、猫なのか、区別がつかない存在たちが、円を描いて座っている。


二足で立っているものもいれば、四つ足のものもいる。


服を着ているものもいれば、毛皮だけのものも。


犬が激しく吠え始めた。


いや、吠えているのではない。怯えて鳴いているのだ。


慌てて、犬を抱きかかえて公園を後にする。


もう、この公園には来られない。

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