第95話 9月26日(火)
朝の職員室 朝7時
出勤してきた教師たちの様子
職員室に、教師たちが集まる。
でも、挨拶をしない。
する必要がない。
目が合えば、すべて伝わる。
そして、全員がそわそわしている。
29日の満月に向けて。
「準備は...」
誰かが言いかけて、止める。
言葉にする必要はない。
みんな、わかっている。
その日、何が起きるか。
そして、それを望んでいることも。
体育の授業 3時間目
見学していた保護者の視点
体育の授業を、たまたま見学。
子供たちの動きに、息を呑む。
全員が、完全にシンクロしている。
準備体操、ランニング、すべて。
そして、ジャンプ力が異常。
人間の子供の能力を超えている。
でも、教師は驚かない。
当然のように受け入れている。
私も、次第に受け入れ始めている。
これが、進化なのだと。
下校後の集合 午後4時
アパートの窓から見ていた住民
窓から、小学校の校庭が見える。
下校時間はとっくに過ぎているのに、子供たちが残っている。
いや、残っているというより、集まってきている。
下校したはずの子が、また戻ってきている。
そして、校庭で大きな円を作る。
教師たちも、それを見守っている。
いや、教師たちも円に加わっている。
何かの儀式のようだ。
いや、準備だ。
29日への準備。




