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この町のネコ、やっぱりおかしい ー市立祢古小学校記録集ー  作者: 大西さん
第三部:静かな違和感(2023年9月)
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第90話 9月21日(木)

登校時の観察 朝8時


校門に立つ教頭の視点


朝の挨拶運動。


「おはようございます」


子供たちが、完璧にハモって返事をする。


82の声が、一つに聞こえる。


そして、みんな同じ表情。


穏やかで、満足そうで、少し神秘的な笑顔。


個性がない。


でも、それが美しい。


これが、本来の姿なのかもしれない。


図書室での出来事 4時間目


図書担当教諭の視点


3年生の図書の時間。


みんな、同じコーナーに集まる。


動物の本棚。特に、猫の本。


そして、月の写真集。


読む速度も同じ。


ページをめくるタイミングが揃っている。


サラサラという音が、一つだけ聞こえる。


そして、読み終わるのも同時。


まるで、一人が30冊を同時に読んでいるような。


職員会議 午後3時30分


会議の様子


9月最後の職員会議。


議題は、月末の行事について。


でも、議論にならない。


提案すると、全員が頷く。


反対意見なし。質問なし。


「29日の授業参観ですが...」


「午後からにしましょう」


誰かが提案。


「月が見える時間がいい」


別の誰かが付け加える。


全員が、深く頷く。


もう、理由は聞かない。


みんな、同じことを感じているから。

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