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この町のネコ、やっぱりおかしい ー市立祢古小学校記録集ー  作者: 大西さん
第三部:静かな違和感(2023年9月)
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第80話 9月11日(月)夏休み作品展

体育館での展示 朝


担任たちの視点


夏休みの作品を体育館に展示。


並べていて、気づく。


テーマがほぼ同じ。


「月の観察」「猫の生態」「町の変化」


そして、工作も似ている。


月の模型。猫の置物。


まるで、同じ指示を受けたかのように。


「これは...」


言いかけて、やめる。


もう、個性なんて必要ない。


みんなで同じ。それが心地いい。


見学に来た保護者の視点


わが子の作品を見に来た。


でも、どれがわが子の作品かわからない。


みんな、同じようなものを作っている。


名前を見て、ようやく見つける。


でも、それでいい。


みんな同じ。みんな一緒。


個性なんて、もう古い概念だ。


昼休みの校庭 12時45分


遊んでいる子供たちの視点


昼休み。でも、もう「遊ぶ」という感じじゃない。


みんなで集まって、円になって座る。


おしゃべりはしない。でも、通じ合っている。


時々、全員で同じ方向を見る。


そこには何もない。でも、何かを待っている。


先生が来ても、注意しない。


先生も、同じものを待っているから。

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