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この町のネコ、やっぱりおかしい ー市立祢古小学校記録集ー  作者: 大西さん
第三部:静かな違和感(2023年9月)
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第72話 9月3日(日)

公園での朝の集まり 朝6時


散歩中の老人の視点


毎朝の散歩コース。


中央公園を通ると、いつもの光景。


猫たちが円を描いて座っている。その数、もう100は超えているだろう。


そして、人間たちも。子供から大人まで、30人ほど。


みんな、東を向いている。朝日を待っているかのように。


私も、つい足を止めてしまう。


仲間に入りたい、という衝動を抑えながら。


まだ、その時ではない。でも、もうすぐ。


早朝ジョギング中の会社員の視点(隣町から)


祢古町を通るジョギングコース。


最近、この町を通るのが怖い。


公園の異様な集まり。全員が同じ方向を向いて、じっとしている人々。


そして、視線。


通り過ぎる私を、全員が見る。猫も、人も。


「仲間じゃない」


そう言われている気がする。


でも、同時に誘われている気もする。


「おいで」「一緒になろう」


走るペースを上げて、町を抜ける。


来週から、コースを変えよう。


教会の日曜礼拝 午前10時


牧師の視点


日曜礼拝。しかし、信者の数が激減している。


来ている人たちも、様子がおかしい。


賛美歌を歌っても、歌詞が違う。


「主よ」と歌うべきところで、「月よ」と歌っている。


注意しようとしたが、できなかった。


なぜなら、私自身も「月よ」と歌いそうになったから。


聖書の一節を読む。しかし、言葉が頭に入らない。


代わりに、窓から見える空が気になる。


月は出ているだろうか。

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