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第60話 8月23日(水)

・児童館職員の日誌 午前


夏休みの児童館は、いつもなら子供たちで賑わう。


今年は違う。


来館する子は多いが、みんな静かだ。


おもちゃで遊ばず、本も読まず、ただ集まって座っている。


時々、全員が同時に顔を上げる。


何かを待っているような、何かを聞いているような。


「みんな、何してるの?」


返事はない。でも、全員がこちらを向いて微笑む。


同じ表情で。


・不動産屋の困惑 午後


祢古町の物件について、問い合わせが急増している。


ただし、すべて「出たい」という相談。


「引っ越したいんです」 「どちらへ?」 「...どこでもいいです。ここじゃなければ」


でも、実際に契約まで進む人はいない。


内覧の約束をしても、当日になるとキャンセル。


「やっぱり...出られないみたいです」


電話の向こうで、諦めたような声。


出られない?物理的に?それとも...

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