表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/169

第44話 8月7日(月)8日(火)

・役場の夜間警備員の記録 深夜2時


巡回中、町を見下ろす展望台に立つ。


真夜中だというのに、あちこちの家に明かりが灯っている。


それも、同じような明かり方。カーテンの隙間から漏れる、薄い光。


まるで、みんな同じことをしているような...


双眼鏡で覗いてみた。すぐに後悔した。


どの家も、人影が窓辺に立っている。全員、同じ方向を向いて。


月を見ているのか?今夜は三日月なのに。


■8月8日(火)


・散髪屋の店主 午前


今日3人目の子供客。


みんな同じ注文。「短くしてください」


でも、切っていて気づく。髪質が変わっている。


前はもっと柔らかかったはずなのに、今は...硬い?いや、密度が濃い?


そして、首筋の産毛が濃くなっている。子供なのに。


「最近、毛深くなった?」


冗談めかして聞いてみたが、子供は首を傾げるだけ。


でも、その仕草が妙に大人びていた。


・駐在所の巡査の報告書 夕方


本日も、事件・事故なし。


むしろ、静かすぎる。


7月までは、夏休みになると必ず自転車の接触事故や、子供同士の小競り合いがあったのに。


見回りをしていても、子供たちは整然としている。


信号を守り、列を乱さず、大声を出さない。


理想的な光景のはずなのに、なぜか背筋が寒くなる。


子供は、もっと...子供らしくあるべきでは?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ