第168話 12月24日(日)~25日(月)
12月24日(日)クリスマスイブ
最後のミサ 夜
隣々町の教会
クリスマスイブのミサ。 しかし、参加者は20名ほど。
賛美歌を歌い始めるが、 途中から歌詞が変わる。
「きよしこの夜」が、 「にゃーしこの夜」に。
誰も訂正しない。 むしろ、その方が自然に感じる。
そして、窓の外を見る。 祢古町の方角に、金色の光。
地下から漏れる、生命の光。 新しい世界の光。
「あれが、本当のベツレヘムの星かもしれません」 牧師が呟いた。
12月25日(月)クリスマス
子供たちの選択 朝
大量失踪
クリスマスの朝。 隣々町で、子供たちがいなくなった。
10数名の子供が、同時に姿を消した。 ベッドには、脱ぎ捨てられたパジャマ。 そして、窓から続く小さな足跡。
四つ足の、でも確かに子供の大きさ。
親たちは、探そうとしない。 どこへ行ったか、わかっているから。
そして、羨望の眼差しで、 東の空を見つめる。
満月の夜 深夜
最後の変化
12月25日、満月。
隣々町でも、ついに大規模な変化が。
家々から、人々が出てくる。 パジャマのまま、裸足で。
そして、雪の中を歩き始める。 最初は二足で。 次第に四足で。
目指すは、祢古町。 地下への入口。 新しい世界への門。
翌朝、隣々町も静かになった。 人間の町は、また一つ消えた。




