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第167話 12月22日(金)~23日(土)
12月22日(金)
遠くからの観察 朝
隣々町の展望台から
望遠鏡で、祢古町を観察する住民。
「見えた、動いてる」 「人?」 「...いや、違う」 「でも、服を着てる」
確かに、人間の服を着た四足獣が、 町を歩いている。
かつての日常を、懐かしむように。 でも、もう戻ることはない。
そして、時折立ち止まり、 隣々町の方を見る。
「おいで」 そう言っているような気がして、 望遠鏡から目を離す。
12月23日(土)
クリスマス前 午後
隣々町の商店街
クリスマスの飾り付けがされているが、 人通りはまばら。
そして、奇妙な現象。 子供たちが、サンタではなく月の絵を描く。 「プレゼントは?」と聞くと、 「しっぽが欲しい」と答える。
親たちは困惑しているが、 自分たちの爪を見て、黙り込む。
伸びすぎた爪。 変わり始めた手。
もう、時間の問題だ。




