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この町のネコ、やっぱりおかしい ー市立祢古小学校記録集ー  作者: 大西さん
第五部 静かなる浸食(2023年11月)
159/169

第160話 12月7日(木)

ラジオ局の最後 朝


地方局からの放送


隣々町のラジオ局から、最後の放送。


「こちらは...まだ放送してます」

「リスナーは、もういないかもしれませんが」

「記録として、残します」


「祢古町とその周辺は、無人となりました」

「いえ、正確には...」

「新しい住民がいます」


そして、パーソナリティの声が震える。


「私も、もう限界です」

「月を見たい」

「仲間に会いたい」

「人間でいることが、苦しい」


放送は、 「にゃー」 という声で終わった。


最後の抵抗 夜


雑貨店にて


店に、一人の男性が逃げ込んできた。 隣々町から来たらしい。


「助けて」

「どうしました?」

「家族が...みんな変わって」

「そして俺を、誘うんだ」


男性の手を見る。 爪が伸びている。 耳も、少し形が変わっている。


「もう、始まってますね」

「いや、俺は人間だ」

「どうでしょうか」


男性は、鏡を見て絶句した。 瞳が、金色に変わり始めている。


「いや...いや...」


でも、抵抗は長く続かなかった。 朝には、彼もいなくなっていた。 雪の上に、四つ足の足跡を残して。

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