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第156話 12月3日(日)
日曜日の静寂 午前
最後の教会
隣々町から、牧師が来た。 隣町の教会で、最後の礼拝。
信者は、私を含めて4名。
説教の途中、牧師が言葉を失う。 窓の外を、何かが通り過ぎたのだ。
四つ足の、しかし人間の服を着た何か。 そして、振り返ってこちらを見た。
金色の瞳。 優しい、でも人間ではない瞳。
「あれは...」 「先週まで、信者だった方です」 私が答える。
牧師は、聖書を閉じた。 「もう、祈りは必要ないのかもしれません」
機材の発見 午後
祢古町との境界にて
昨日のYouTuberの機材が見つかった。 雪の中に、カメラとスマートフォン。
最後の動画を確認する。
「やばい、これマジでやばい」
「建物はそのままなのに、人が...」
「待って、何か来る」
画面が揺れる。 そして、映ったのは金色の瞳。 たくさんの、金色の瞳。
「うわ、でも...怖くない」
「むしろ...」
動画はそこで切れている。 スマートフォンには、大量の毛が付着していた。




