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第155話 12月2日(土)
最後の週末 朝
隣町の現状
土曜日だが、町は死んでいる。
開いている店:3軒 稼働している信号:2箇所 残っている住民:推定30名
そして、増えているもの。 雪の上の足跡。 四つ足の、様々な大きさの足跡。
夜中に、彼らが町を歩き回っている。 かつての自宅を訪れ、 かつての職場を覗き、 そして去っていく。
懐かしんでいるのか、 それとも、残った者を探しているのか。
YouTuberの来訪 午後
店に来た若者
「すみません、祢古町への行き方を」
都会風の若者。 機材を抱えている。
「やめた方がいい」
「でも、真実を伝えたいんです」
「真実?」
「政府が隠している、集団失踪の」
止めても無駄だった。 地図を渡す。
「ありがとうございます」
「...気をつけて」
「大丈夫です。夕方には戻ります」
彼は戻ってこなかった。




