第128話 11月2日(木)
早朝の異変 朝5時
新聞配達員の証言(隣町)
いつものように配達準備。
祢古町の分は、当然なし。 でも、気になって町境まで行ってみた。
驚いた。
祢古町側の道路に、真新しい足跡。 それも、濡れている。 朝露を踏んだ跡。
つまり、つい先ほど、何かが歩いた。
四つ足の、中型動物のような足跡。 それが、町の中心部へ向かっている。
「誰か、いるんですか?」
声をかけたが、返事はない。 ただ、風に乗って匂いが。 獣臭いような、でも懐かしいような。
立ち入り制限開始 午前9時
警備員の配置
町の境界4箇所に警備員を配置。
しかし、初日から異常事態。
警備員A「立っていると、頭がぼんやりする」 警備員B「月を探してしまう。昼間なのに」 警備員C「『にゃー』と言いそうになった」
全員、2時間で交代することに。 それ以上いると、「危険」だと判断。
何が危険なのかは、誰も説明できない。
夕方の光 午後5時
隣町の高台から撮影された写真
アマチュアカメラマンが、隣町の高台から祢古町を撮影。
夕焼けに染まる無人の町。 美しく、静かで、でも不気味。
そして、写真を現像して気づく。
いくつかの家の窓が、光っている。 電気ではない。 もっと柔らかい、金色の光。
拡大してみると、窓辺に影。 人影...いや、違う。 もっと小さくて、でも確かに何かがいる。
写真をSNSに投稿。 すぐに削除要請が来た。 理由は告げられず。




