第127話 11月1日(水) 最初の調査
最初の調査 朝8時
警察の調査報告書より
祢古町住民の安否確認のため、県警機動隊が町に入る。
しかし、人影は一切なし。
建物に損傷なし。 車は駐車場にそのまま。 電気、水道、ガスは通っている。
ただ、人だけがいない。
そして、奇妙な痕跡。
道路上に無数の足跡。すべて四つ足。 家の中に大量の抜け毛。 冷蔵庫には魚の骨だけ。
捜索は3時間で打ち切り。 理由:隊員の体調不良(全員が激しい頭痛を訴える)
隣町の住民の証言
「昨夜、祢古町の方から歌声が聞こえました」
複数の住民が同じ証言。
「にゃー、にゃー、という感じの」
「でも、悲しい歌じゃない」
「むしろ、幸せそうな」
録音を試みたが、機器には記録されず。 しかし、確かに聞こえたと全員が主張。
行政の対応 午後
町役場(隣町の出張所)での会議
祢古町の今後について緊急会議。
出席者全員が困惑。
「住民票上は3,127名が居住」
「しかし、全員が行方不明」
「いや、行方不明とも言えない」
「だって、誰も困っていない」
確かに、失踪届は一件も出ていない。 家族も親戚も、誰も探していない。
「みんな、納得している感じです」
「あるべき場所に行った、という感じで」
会議は結論が出ないまま終了。 ただし、町への立ち入りは制限することに。




