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第124話 10月25日(水)
痕跡のみ 朝
監視カメラの映像
町の防犯カメラが捉えた映像。
もう、二足歩行する者はいない。
すべて、四つ足で移動している。
しかも、その動きは統制されている。
同じ方向へ、同じ速度で。
小学校に向かって、集まっている。
まるで、巣に帰る動物のように。
最後の人間の抵抗 昼
発見されたメモ
民家で発見された、震える文字のメモ:
「まだ人間でいたい でも体が 手が足が 変わっていく でも怖くない むしろ 解放される ようやく 本当の自分に にゃ」
ここで文字は途切れている。
最後は、爪痕だけが残されている。
集結 夕方
遠方からの観察
祢古町を遠くから観察。
小学校に、すべてが集まっている。
もう、個体は識別できない。
一つの大きな塊となって、うごめいている。
時折、光る無数の瞳。
金色の、美しい瞳。
そして、歌声。
もはや言葉ではない、原初の歌。




