第117話 10月18日(水)
朝の町 朝6時
ゴミ収集員の証言
水曜日は、可燃ゴミの日。
でも、祢古町のゴミが激減している。
特に、生ゴミがない。
かわりに、大量の抜け毛?
いや、これは人間の髪の毛じゃない。
もっと柔らかくて、もっと密度が高い。
そして、ゴミ袋を出しに来る住民たち。
もう、顔を隠そうともしない。
耳は完全に上部に移動し、 瞳は縦長になり、 口元には髭のようなものが。
でも、友好的だ。
「にゃー」と挨拶してくれる。
私も、つい「にゃー」と返してしまう。
授業参観の案内 午後
配布された手紙
10月末の授業参観の案内。
でも、文字がほとんど書かれていない。
日時:10月28日 午後3時 場所:体育館 内容:(ここは空白)
そして、紙全体から立ち上る匂い。
この匂いを嗅げば、すべてがわかる。
最後の集まり。 完成の時。 新月の下での統合。
もう、言葉は必要ない。
夕方の帰宅 午後5時
下校する親子の様子
親が迎えに来ている。
でも、もう親子の区別がつかない。
同じ大きさ、同じ姿勢、同じ歩き方。
手をつないで...いや、違う。
肩を寄せ合って、体をすり合わせながら歩いている。
人間の親子ではない。
でも、深い愛情を感じる。
群れの、本能的な愛情。




