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第114話 10月15日(日)
連休中日の公園 朝
犬の散歩をやめた住民
もう、犬を公園に連れて行けない。
犬が、完全に怯えるから。
代わりに、私だけ公園を見に行く。
あの集まりは、さらに大きくなっている。
もう、人間と猫の区別は意味をなさない。
様々な段階の、変化途中の存在たち。
ある者は、ほぼ人間の姿だが耳だけが変化。
ある者は、四つ足だが服を着ている。
ある者は、完全な猫の姿。
でも、みんな同じ仲間。
みんな、同じ方向を向いている。
東。月が昇る方向。
町の診療所 午後
最後の診察をした医師
日曜診療の当番。
でも、患者は来ない。
いや、一人だけ来た。
「先生、これ、普通ですか?」
差し出された手は、完全に肉球ができていた。
医学的には、ありえない。
でも、目の前にある。
「痛みは?」
「ないです。むしろ、歩きやすい」
カルテに何と書けばいいのか。
結局、「異常なし」と記載。
だって、本人は健康そのものだから。
いや、健康を超えている。
野生の、生命力に満ちている。




