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第112話 10月13日(金)
前期終業式 朝8時30分
式の様子
前期最後の日。
終業式が行われる。
でも、もう言葉はほとんど使われない。
校長が壇上に立つ。
「にゃー」
それだけ。
でも、すべてが伝わる。
半年間の感謝。 成長の喜び。 これからへの期待。
子供たちも、
「にゃー」
と答える。
これで、式は終了。
でも、誰も動かない。
みんなで、静かな時を共有している。
通知表 担任の視点
通知表を渡す。
でも、中身はもう意味をなさない。
国語、算数、理科、社会...
人間の教科。
彼らには、もう別の学びがある。
それでも、形式的に渡す。
子供たちは、通知表を受け取る。
でも、見ない。
代わりに、匂いを嗅ぐ。
紙の匂い、インクの匂い、私の匂い。
それで、すべてを理解する。
半日で下校 正午
昇降口での光景
前期終業式なので、午前中で下校。
でも、子供たちは帰りたがらない。
昇降口で、みんな振り返る。
学校を、じっと見つめる。
「月曜日に、また」
そんな思いが伝わってくる。
いや、もっと深い。
「ここが、我々の場所」
そんな強い帰属意識。
学校は、もう教育の場所ではない。
群れの、拠点になった。




