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第108話 10月9日(月)体育の日
祝日の学校 朝
巡回警備員の記録
祝日だが、学校の見回りに来た。
校門が開いている。
中に入ると、人がいる。
たくさんの人が。
「今日は祝日ですよ」
声をかけるが、反応がない。
みんな、校庭で円を作っている。
子供、保護者、教師、地域の人。
そして...それ以外の存在も。
毛皮を持つ者、尻尾を持つ者、四つ足の者。
これは、もう学校ではない。
新しい共同体の集会所だ。
私は、静かに立ち去った。
報告書には「異常なし」と書こう。
これは、異常ではないから。
祝日の町 午後
隣町から来た配達員
祝日でも配達はある。
祢古町に入ると、いつも緊張する。
静かすぎる町。
人影が見えない町。
いや、よく見ると、窓辺にはいる。
でも、その影が人間に見えない。
配達を済ませて、早く町を出たい。
でも、なぜか後ろ髪を引かれる。
あの静寂の中に、入ってみたい気持ちもある。
危険だ。
この思考は危険だ。
アクセルを踏んで、町を後にする。




