第101話 10月2日(月)読書週間初日
学校図書室 朝8時30分
図書担当教諭の視点
読書週間が始まった。
子供たちが次々と本を借りに来る。
でも、もう本のタイトルを言わない。
ただ、カウンターに来て、じっと私を見る。
不思議と、何を求めているかわかる。
月の本、猫の本、変化の本。
そして、最近は別の本も。
「共同体」「群れ」「一体化」
なぜ、小学生がこんな本を?
いや、もう小学生という枠組みが意味をなさないのかもしれない。
1年生の読書時間
本を読む時間。
でも、文字を追っていない。
ページを開いて、じっと見つめているだけ。
それでも、内容を理解している。
隣の子に聞いてみる。
「読めてる?」
「うん」
「どうやって?」
「...感じる」
確かに、私も感じる。
本から立ち上る、物語の匂い。
文字を読まなくても、伝わってくる。
給食時間 12時20分
調理員の視点
10月に入って、給食の献立を大幅に変更した。
牛乳→廃止 肉料理→週1回に削減 魚料理→毎日
誰も文句を言わない。
むしろ、残食が完全にゼロになった。
調理中、窓から校庭を見る。
子供たちが、整然と並んで待っている。
給食の時間はまだなのに。
匂いでわかるのだろうか。
そして、その並び方が...
人間の子供の並び方ではない。
放課後の職員室 午後4時
教頭・山本の視点
職員室で、10月の予定を確認。
でも、もう言葉での確認は最小限。
みんな、カレンダーを見るだけで理解している。
そして、全員の視線が10月28日で止まる。
新月の日。
「この日は...」
誰かが言いかけて、止める。
でも、みんなわかっている。
9月29日の満月で始まったことが、10月28日の新月で完成する。
ちょうど1ヶ月。
完璧な周期。




