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疑神暗鬼  作者: MEGA
2/5

第弐話 旅館『あんこう』

「おお〜、ここが言ってた駅かー」

結構大きめだが栄えてるわけではない感じが田舎のイ◯ンみたいだ。

「こっからバスで2時間と歩きで30分だって」

うわ〜、時間めっちゃかかるな〜

しかも山道30分って。

正直、面倒って思う。

〜旅館近くのバス停〜

「はぁ〜。頑張るか〜」

「どうした涼斗。30分ならいいトレーニングだろ。お前も体力もっとつけないとそろそろきつい時期が始まるからな」

「でもきついですって、部長〜。無疑もそう思うよな、って」

こいつめっちゃやる気あるわー

―――――――――――――――

「あとどんくらいなの〜。無疑〜」

「あと5分くらいだから。がんばれー」

ふと前に白いものが見える。

多分看板と祭壇だ。

「ええと、看板には『あなたは神を信じますか』だって。『信じるなら白い祭壇にだるまを、信じないなら黒い祭壇にだるまを、どちらでもない人はそのだるまを持っていってください。無視をするならば あんこう にはいけません』って書いてある」

そして手前の台に3つの達磨。

すっごい怪しい。だってちょうど三個あるんだもん。

しかも自分たちが目指してるあんこうの名前も出てくるしすっごい不気味。

やりたくないけど、怪しいやつが行けないつってんだよな〜。

「みんなは決めた?」

無疑が唐突に聞く。

まあ、決めはしたけど。

「じゃあ早速置くか」

「「!?」」

「おい、まて。早まるな。置くかどうかは一回話し合おう。な」

「でも置かない選択肢はないんじゃない?」

「「涼斗!」」

いや俺に聞かれても...

「まあ、やって損はないからやろう」

部長の舌打ちが聞こえた気がするが気にしないでおこう。

「まあ、涼斗に判断を任せたのは俺だから仕方なく従おう。

やはり神など非科学的なのは信じない派だからな。

たしかに脚本は書いてはいるが現実は違うからな」

部長がそういう

絶対最後の言葉は俺がしてくるのを予知したんだ。

だってちょっと笑みがこぼれてるもん。

くっそ、遮ってでも言うべきだった。

「俺は信じるけどね。面白いしいるかいないかだったらいたほうがいいんだから。」

自信満々に言ってやった。

良い方に考えたほうがいいじゃん。

「僕はどっちでもいいと思うな。気持ちは両方ともわかるから」

無疑にしては意外な意見だった

結構神話の脚本とか楽しく読んでたから信じてると思った。

ぼそっと無疑がなんかつぶやいた

が、小さすぎて聞こえない

「なんかいった?」

無疑は「いや何も」っていっていた。

それならいいんだけど。

「じゃ俺は白、部長は黒、無疑は持っていくってことでいいね」

「「うん」」

〜〜〜〜〜〜〜旅館『あんこう』にて〜〜〜〜〜〜〜

「おお、城っぽい旅館だな。日本って感じがして俺は好きだな〜」

昔からある感じのいい古めかしさがある

こういうのなんて言うんだろう?

あぁ、思い出した『奥ゆかしい』ってやつだ

門の奥に日本家屋があった。

周りにも昔風の建物があるが何に使っているのだろう

無疑が扉を開くと一人の男の人が出てきた

「いらっしゃいませ、お客様。私はこの旅館の番頭、大御と申します」

何故か舞踏会で使われるような白と黄色を基調とした()()()をしている

大御さんは身長が高く声も低くて渋い。

俺達じゃこの渋い声は出せないから憧れる。

「予約の演上です」

早々に無疑が切り出した。

「ああ、演上様御一行ですね。お部屋はこちらの炎の間です。

あと季節限定の特典を渡しておきます。

本当予約制なんですけどオフシーズンなので無料で配っているんですよ

これは3つの特典がありその中の一つだけにいけます。

1つ目が別室の隣りにある天守閣へいけます。

2つ目は劇場にて歌舞伎達磨をご覧いただけます。

3つ目は資料室にてこの城の成り立ちや

歌舞伎達磨を作った劇団についての歴史を確認できます。」

そういって特典と鍵を渡された

鍵は立体的な炎がかたどられている

大御さんにこの旅館の案内をしてもらった

扉の右側にソファーと壁に絵が飾ってある

絵には白いうさぎが右下に葵と桐の葉が左下に上に灰色の鶴が描かれている

その絵の左側に厠がある

玄関から道を真っ直ぐ行くと左側に受付があった

受付には独特な黒電話があった

本体は黒、受話器が白、ダイヤル部分が灰色の色合いになっている

大御さんは内線と言っていて部屋にもあり部屋同士やフロントにかけるためと言っていた

そこからもう少し行くとT字路になっており

そのまま真っすぐ行くと突き当りに出て左に温泉、右に土産屋があった

T字路を曲がると右側に炎の間と水の間がある

左側には食堂と厨房があった。

晩御飯が楽しみだ

真っ直ぐ行くと十字路になっており右に行くと劇場

左は行けなかったがスタッフルームと言っていた

真っ直ぐ行くと別館で出て別館にも宿泊室があるらしい

さらにお金を払うことでそこに行けるらしい

そして特典で言っていた天守閣もあるそうだ

案内が終わったあと再び部屋の前に戻ってきた

「お風呂の時間は18時、夕食は19時となっております。

時間になったらお電話おかけいたします。

最後に深夜24時以降は出歩いてはいけません。24時になると鐘がなります。

ちなみにトイレはお部屋にありますのでご心配なく。

あとお隣の水の間にもお客様がいらっしゃるので夜はお静かに。」

そういって大御さんはフロントに帰っていった。

思っていたよりも部屋は広く入って右側に厠があり左に寝室、寝室の右奥に畳と机がある居間があった。

居間にはクローゼットが二つと棚の上に荷物入れがあった

その荷物入れにも鍵が入っていた。

鍵は2つ渡されるらしい

そして鍵がなくても外には出れるようだ

「さて、準備も終わったけど次どうする?」

そう、二人に聞く

「まあそろそろ18時だし風呂でも行くか」

部長に従いみんなで風呂に行く

お風呂の前で大御さんが待っていた

「こちらの黄色い鍵で風呂の扉が開きます。

風呂から上がったらフロントにて返却してください。

ではまた後ほど」

そういって大御さんはフロントに帰っていった

「じゃ早速入るか」

そういって男子風呂の鍵を開ける

部長と俺は入るが無疑が一向に入ってこようとしない

「どうした?早く入ろうぜ」

俺がそういう

「あのさ、なんで俺が男だと思ったの?」

「待て待て待て待て、その言い方だとお前は女ってことか?」

「一人称が俺だからよく間違われるけどね。一応女だよ」

「まじかよ。本当に信じらんねぇ。なんで言わなかったんだよ」

「だって涼斗が好きだったから...」

大きな声で部長が爆笑する

「ちょっと部長。せっかくいいところだったのに」

「悪い悪い、でもあまりにも面白くて」

「え、何がどうなってるんだ?ちゃんと説明しろよ」

「ああそうだな、涼斗。無疑は男だぞ。お前をからかっていただけだ」

「おい無疑!」

「どうした涼斗」

「どうもこうもねえよ。良くも騙してくれたなぁ」

「少しは疑おうよ涼斗」

「ああ駄目だこいつ聞く耳持たねえわ」

「まあまあ」

「なんでお前が慰めるんだよ。ちょっと嬉しかったのに...」

「え、まじで?」

「嘘だよ少しは疑おうよだっけ、そのまま返すぜ。少しは疑おうぜ無疑」

「ふたりともそこまでにして風呂に入ろう」

風呂はサウナは壊れていて入れなかったが露天風呂がありとてもいい湯だった

食堂に向かうと扉が空いておりお好きな席にお座りくださいと看板が立っていた

「景色が見える席でゆっくり食べようぜ」

俺がそう言い食堂の受付にいた人がご飯を持ってきた

部屋で演劇の振り返りをしようという話だったので喋らずに食べた

「ああ美味かった、そうだ無疑、あの特典でどこに行こうか」

「流石に歌舞伎達磨の原作じゃないかな。部長はどれがいい?」

「同じく歌舞伎だな」

「じゃそれで決定ということで!」

部屋の前に大学生くらいの男の人がいた

「ああ炎の間の子たちか、自分は都海大学の青井だ」

「ああ!あの都海大学ですか!知ってます、特に今年の劇良かったです」

無疑いわく演劇でとても有名な大学らしくアドバイスを貰った

そして部屋に戻りみんなで寝た後24時の合図の鐘がなった

その後不気味な鼓の音が聞こえたが自分は眠りについた

わけではなく眠気は青井さんの呻き声にかき消された


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