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疑神暗鬼  作者: MEGA
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第壱話 演劇部

人物紹介

格鬼 涼斗 かくき りょうと

平ヶ(ひらがずみ)中学二年生の演劇部。演じるキャラで演技の質が大きく変わる。

たまに無疑の演技を超える事も?

演上 無疑 えんじょう むぎ

平ヶ泉中学二年生の演劇部。涼人と噺の親友。涼斗のお目付け役。

演劇部で一番演技がうまい。中性的な顔立ち。

創家 噺 そうか かたる

平ヶ泉中学二年生の演劇部部長。演劇部の脚本を作っている。演技もできる。

怒りやすい一面も。

平ヶ泉中学校

岩手県にある中学校。演劇部にとても力を入れていて全国高等学校演劇大会の常連校。

優勝経験も3度ある。生徒数も多く700人である。

この演劇部は実力主義なので3年生でも劇に出られないことがある。

演劇部で2年生の涼斗たちが仕切っているのは飛び抜けてうまいからである。

この三人は大人よりうまくその存在意義を潰すことから『天災』と呼ばれている。


俺は平ヶ泉中学2年の格鬼涼斗。

今は放課後の部室で次の劇の演目をどうするか話し合っていた。

「演劇のものじゃなくて他のジャンルのものを演じるのはどうだろう。」

この声がきれいで薔薇のような赤い髪のやつは演上無疑。

演技はめちゃくちゃうまい。

「それは面白い注文だな。丁度いい。俺は『歌舞伎達磨』がいい。元は歌舞伎の演目だからテーマに合ってる。あれは脚本を少し変えるとさらに良くなる。」

この無疑を称賛している眼鏡の人は創家噺。

この人は部長で脚本を作ったり改良したりしている。

この人もまあまあ演技ができる。

今はこの三人の会議中。

この平ヶ泉中学の演劇部は名門と言われている。

そのため自分で脚本を作ることが多いからである。

そしてその脚本も一流と言える。

「「おい涼斗。聞いてんのか!」」

二人が声を合わせて俺に言う。

「いや全く。」

「全くお前はいつもそうだ。だから演技の差が大きいとか言われてそれで天才的な能力だが舞台とかだと役が特定の者しかできないと言われてガミガミ…」

ああ,また部長の説教が始まった。これは長くなる。

あと俺がキャラで演技の質が変わるのは

そのキャラの考え方がどれくらい納得できるかで変わるといつも言っているのに。

だがこのままだと本当に日が暮れる。

よし。話題を変えよう。

「そういえば演目何にしたんだ?」

「お前本当に話を聞いていなかったんだな。まあいい。演目は歌舞伎達磨を俺が少しいじったものになる。ざっとあらすじを話すぞ」

部長によると歌舞伎の劇団のようなものがありそこには元超大物歌舞伎役者が作った歌舞伎達磨がある。

その達磨は歌舞伎役者の実力をあげると言われていた。

その劇団では毎年新人の誰かにそれが継承される。

それが今回入ってきた新人二人のどちらかに継承される。

一人目は田舎育ちの貧乏人。劇団では練習をとてもする努力の権化と言われている。

もう一人は都会育ちのボンボンでここに金に物を言わせて入ってきた。

全く努力もしないダメな奴だった。

でやはり一人目の方に達磨は渡ると決まった。

ボンボンはそれをいろんな手で止めるも失敗。

そして奥の手で先輩からその達磨を盗んで手に入れた。

だがその男は有名にも演技がうまくもならなかった。

するとその男は怒り狂い達磨を壊してしまった。

それを貧乏人が発見し,直し始める。

金持ちが「直しても直したのがお前では意味がない」と言った。

すると貧乏人は「いいや効果はある。なぜなら将来大物歌舞伎役者になる俺が治すのだから」と自信満々に言い放った。

その通り貧乏人は大物になり幸せに過ごした。

だが金持ちの男は一気に没落し自殺してしまった。

歌舞伎達磨にも意思があり努力するものを成功に、怠けるものを地獄に落としたそうだ

「で早速聞くけど。涼斗お前はどの役がはまると思う?」

やっぱり俺に聞いてきた。俺は自分が納得できる役,つまり自分にはまる役がわかる。

「主人公の貧乏人と歌舞伎達磨と劇団の先輩たちかな。絶対金持ちのクズはない。順位で言うと一位達磨二位先輩三位主人公って感じかな。」

自分が答えるとすぐに部長を無疑の方を見る。

「おけ。無疑はやりたい役ある?」

「ぼくは涼斗が言うクズと主人公が楽しそうかな。」

無疑が皮肉っぽく言う。でもあいつはクズだし。

すると部長はすぐさま全員の役を割り振る。さすが我らが敏腕部長。

ちなみに俺は主人公の役だった

そして部長の割振りと部員の頑張りにより,舞台は大成功を収めた。

「無疑も部長もお疲れ様!」

叫んだから楽屋に響き渡る。

大きすぎたか?

「ありがとう。涼斗もお疲れ様。」

「大きい声を出すな!全くこいつは―――お疲れ様。」

「あれぇ〜演劇部の部長ともあろう人が照れてるんですかw

全く、子どもかなぁww」

「うっさい!からかうな!」

「『大きい声を出すな!全くこいつは』

どう、部長のマネ。」

「あははははは、似てる似てるもっと声を太くしたらそっくりだよ

メガネも必要かな」

「だから笑うな!」

部長の怒号が飛ぶ

「あそうそう。僕から提案なんだけど、この舞台の『歌舞伎達磨』の聖地がこの近くにあるらしいから皆で行ってみない?

あ、費用は部費から出せばいいから」

無疑がそう提案してきた。

神かよ!って思ったね。

「ちょっとまて、部員の皆の了承ももらっていない。

あと行くなら前ほしいって言っていた機材はどうするんだ?」

部長がそういう。

たしかにそんな事もあったわ。

「それなら大丈夫。皆に聞いたら満場一致で賛成だったし部費に関しても増やしてくれるって。あとその宿では歌舞伎達磨の本物が見れるんだって。他にも昔あった鬼退治の話とか、とにかくいろんなネタがつまってるんだよ」

「なら行こう」

意外にも部長がすぐ賛成した。

絶対歌舞伎達磨みたいだけだって。

「涼斗はどうする?」

無疑がそう聞いてくる

「もちろん賛成でしょ!」

泊まる宿はここから少し離れたところにあって

何でも昔偉い将軍様が泊まったという由緒正しい旅館らしい。

僕たちは二泊三日でそこに泊まることになった。

宿泊費がいくらか考えると少しぞっとする。

泊まるのは明日からということだ。

その時はもうとても楽しみで眠れない気持ちだった。

そのまま眠りに包まれていく...


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