勇者を返却します
俺「勇者の座は、第一王子にお渡しします」
そう、俺は勇者になる際、平民の為誓約として、魔王を討ち果たした時
その座を第一王子に渡す約束をしていた。
そうでもしなければ援助してもらえなかったかだ(子供の頃は不思議に思わなった)
王「素晴らしい、さすがはわれらが勇者だ」
したり顔で王様は俺に言った
しかしそこに俺は釘を刺すように助言する
俺「陛下、私は王子の為、雷鳴の勇者と名乗れるよう”雷”系の魔法、剣技を使用してまいりました
王子にはこの日の為に修練し魔法だけでも放てるだけの魔力を持てるよう
お願いしていましたが、大丈夫でしょうか?」
そう、俺は英才教育を受ける代わりに勇者を第一王子に渡す契約をしていた
また勇者として魔王を討ったあとのいざこざを考えるとそれが一番だと子供ながらに考えたからだ
王「と、当然ではないか、我が息子はこの日の為に修練を続けてきたのだ」
王は少し歯切れの悪い返答を俺に返した
俺「それでしたら心配ありませんね、俺が身に着けていた武具全て、ここに置いていきます
あとはお任せします。」
そういいながら魔王を倒すため、頑張ってくれた装備一式を陛下の前にきれいに並べた
俺「この武具をお渡しする際のお約束、覚えていただいていますよね?」
俺は跪きながらも王へ視線を流した
王「うむ、覚えておる、心配するでない」
すこし嫌そうな顔をしつつも王は応え、執事に大金が入った
袋を持たせ俺の前まで持ってこさせた
俺「ありがとうございます、今までお世話になりました」
その袋を受け取ると俺はそのまま謁見の間を出た
謁見の間に静寂が訪れ、数分経った後
王「本当にあれでよかったのか・・・・?」
ずるる、と王座をすべるように態勢を崩し王が声に出した
宰相「あれが最適解かと思われます。まさか本当に魔王を討ち果たすと思いませんでした
その力がわれらに向けられてはたまったものではありません」
苦々しく宰相が口を開いた
王「冗談で言ったのが終わりの始まりか・・・。我が子はあの勇者のように立ち振る舞える
のだろうか?」
先ほどよりも苦々しく宰相は表情を重くしながら
宰相「第一王子様は修練なされておられますか・・・?」
王「しておらんだろうなぁ・・・」
はぁ・・・とため息をつきながら王様は天を仰いだ
宰相「冗談とはいえ、陛下からおっしゃられたのですからもう引き下がれませんね」
宰相は頭を抱えながら苦言を呈す
王「口は災いの元・・・・か。」
少しの静寂
王「しかし明日には下々に宣言する日だ、腹をくくるしかあるまい」
ふんっと王様は声を出すが
宰相「王子は・・・今どこにおられますか・・・?」
苦々しい声で尋ねる
王「娼館かなぁ・・・?」
不安しかない返答を王様はするしかなかった
宰相「甘やかしすぎです・・・」
宰相は天を仰いだ
宰相「(もうやだこの国・・・)」
次回!
「タイトルはどこにいった!?」