登場人物と世界観のまとめ④
◇ここまでの登場人物と世界観のまとめ④
■登場人物■
〇アニィ・リム
本作の主人公。現代日本でいうと17歳相当。内気で引っ込み思案だが、少しずつ積極的に変わり始めている。
内面には強烈で無軌道な怒りが渦巻いており、一度感情が昂ると止められなくなる。
第4章では、マウハイランド山脈を抜ける途中、冷たい雨を浴びたことで体調を崩してしまう。
その後傷ついたドラゴンのバルベナ、彼女を愛するメグと出会い、人間とドラゴンの愛情を目の当たりにする。
一方で怒りの感情の制御がままならなくなってきており、早急な対策が必要になる。
行使する魔術は「質量を持った光」。
必殺の光剣は加速度的に巨大化し、更にはプリズムの鋼線、渦を巻く魔術の大砲などを使えるようになった。
それに合わせて戦闘時の怒りもより激しくなり、精神が少しずつ疲弊してきている。
〇プリス
本作のもう一人の主人公。陽光に当たると七色に輝く石英状の鱗を持つ「葬星の竜」。
普段は高慢ちきで口が悪いが、相棒のアニィには優しい。
第4章は彼女をメインとして進行し、アニィに対してプリスが抱く気持ちの正体を紐解く。
バルベナやメグと交流し、特にバルベナとは友達になる。
いつも通りアニィを気遣うが、メグによってそれがアニィへの愛であることを気づかされた。
翼から魔術の光を発し、敵を縛る糸を出したり傷を癒したりと様々な奇跡を起こす。
また、口から吐き出す光線を光の糸と合わせてドリル状の光線にする技も編み出した。
〇パル・ネイヴァ
アニィの親友。アニィと同じく、現代日本でいうと17歳相当。明るく、物をはっきり言う性格。
アニィ達と共にヘクティ村を脱出し、共に「厄介事引受人協会」に入会。
アニィに対するプリスの優しさが、『ドラゴンラヴァー』としての事務的なものでは無いことに気付く。
行使する魔術は「身体強化」。
自分の体に掛ければ凄まじい身体能力を発揮し、輝ける鋼製の武器に掛ければ硬度や破壊力を強化できる。
パシフィアとの合体技である巨大な水の矢は、大型邪星獣の腹を一発でぶち抜く威力を誇る。
〇パシフィア
パルの相棒。愛称「パッフ」。コーラルピンクの鱗を持つドラゴン。
他のドラゴンと比べてやや精神年齢が低く、それゆえか表情がころころ変わる。
水を扱う魔術を使い、アニィ不調時は水回りの世話を引き受ける。
口から強烈な水流を吐くほか、水の形を自由に操る魔術を行使する。
〇カゲサキ=ヒナ
アニィ達の仲間の剣士の少女。現代日本で言うと18歳相当。
フェデルガイア連邦の遥か東にあるヤマト皇国出身。高速の剣術を得意とする。
里を滅ぼした邪星獣への復讐に燃えていたが、アニィ達に諭されてともに旅に出た。
今回はアニィの丸薬を作る、地底の邪星獣探索するなどの技能で活躍。
バルベナとの会話では、似た境遇にありながらもアニィ達への恩返しを優先する義侠心を口にした。
行使する魔術は「行動の加速」。一つ一つの行動がけた違いに速くなる。
ただでさえ速い剣術が、これによってドラゴンラヴァーの目ですらとらえきれなくなる。
クロガネの加速走行魔術と合わせることで、邪星獣のみならず魔術による防御を両断する必殺剣となる。
〇クロガネ
ヒナの相棒。黒に近い金属色の鱗を持つドラゴン。物静かだが、常にヒナの事を思いやっている。
ヒナとは彼女が里の壊滅から逃れた時に出会い、しばらく過ごすうちにいつの間にか生涯の友となっていた。
共に生きるために常にヒナに寄り添い、時に目の代わりとなるけなげなドラゴン。
口から邪星獣のものに似た鉄の弾丸吐くほか、高速走行の魔術を行使する。
突進攻撃の他、ヒナの行動加速魔術と合わせることで邪星獣を両断する必殺剣を編み出した。
▼アグリミノル町の住人たち
第4章では、協会受付係でビッグワンハウス5姉妹の4女モフミネリィ、アシスタントのジャッキーチュン、
姫町長と呼ばれるアグリミノル町長メイガン・ジョナ・ゴールディ、町の医師のニクラス・クリンが登場。
また、ゲストキャラとしては初となる、会話をするドラゴンのバルベナも登場。
バルベナとメグは、主にバルベナが素直になれない物の、互いに深く愛し合っている。
■世界観■
△山間の町アグリミノル
体調を崩したアニィの静養のために訪れた、山間部の小さな町。
新しく制定されたために、古い地図には載っていない。
他の村や都市からは孤立しており、全町民はほぼ自給自足で生活している。
実はこの町は傷病者の町で、住民の大半はある工業都市から逃げてきた負傷者・病人である。
もともとは病院があったのだが、収容人数が多すぎたため、解体して町にしたという経緯がある。
町民の大半は手足どちらかが義肢となっているが、畑仕事も自由にできる程慣れている。
この義肢はメグが作った物で、将来的にはドラゴンの義足も完成させたいと考えている。
また、義肢の副産物や栄養豊富な農産物を利用することで医療が発達している。
病院の設備は整っており、食べやすい栄養食品なども作られている。
海からはだいぶ離れているが、近くの川でマッスルサーモンが採れ、周囲の獣、畑の野菜と食材に関しては不自由しない。
△マウハイランド山脈
アニィ達が通過した山脈。
大陸を縦断する長大な山脈で、ふもとには豊かな森が生い茂り、一部の山頂は冠雪している。
山であるため気候が変動しやすく、ふもとの森も葉によって日光が遮られているため、山脈全体が気温が低い。
特に山頂付近は冷たい風が集まりやすく、冠雪していることからも雨・雪が降りやすいことがわかる。
また、むき出しの土や分厚い岩盤に覆われた斜面があり、特に岩盤は雨が降ると滑りやすくなる。
中間あたりに小さな集落があり、アニィ一行は雨宿りを兼ね、体調を崩したアニィを休ませるために立ち寄った。
かつてはそこで生活する者もいたようだが、周囲から孤立したこの地では暮らせず、住民はもういない。
現在ではメグがこの集落を丸ごと買い取り、バルベナの体を休めるためにのみ使わせていた。
しかしバルベナもアグリミノルに移住し、完全に無人になる。
△蟲型・地中型邪星獣
邪星獣の新たな姿。
蟲型は森林などに隠れて無音で移動するための形態で、四肢と翼が昆虫の脚のように変化。
武器は口から吐き出す鋼鉄の糸のかたまり。
捕縛ではなく、複雑に絡み合った鋼線で切り刻み、敵の体を抉ることを目的とした武器。
また気配を隠して移動することで、単純に標的に近付きやすくなっている。
気配はヒナですら察知できず、ぎりぎりまで接近を許してしまった。
ヒナが敵の気配を探る能力に長けているため、その対抗策として生み出した形態である。
地中型は地下の土を掘り進むのに特化した形態。
短めの手足と鋭い爪で土を掘り、翼が変化した副腕で後方に土を掻き出して進む。
長い体は掘り進んだトンネルを維持するための物。
土を掘り進む時はほぼ全く音を立てず、アグリミノル町の地下に到達した際も、地表に出るまでヒナとジャッキーチュンにしか気づかれていない。
武器として尾の先端に長い針を持っているが、戦闘よりも弱った敵に止めを刺す方が得意。
かつてバルベナに退けられた3頭は、追跡のためにこの姿に変わったらしい。
以下、物語の進行に応じて各章ごとにまとめを展開。




