登場人物と世界観の説明③
◇ここまでの登場人物と世界観のまとめ③
■登場人物■
〇アニィ・リム
本作の主人公。現代日本で17歳相当。内気で引っ込み思案だが、少しずつ積極的に変わり始めている。
内面には強烈で無軌道な怒りが渦巻いており、一度感情が昂ると止められなくなる。
城塞都市ヴァン=グァドでの依頼をきっかけにヒナと出会い、友情を深める。
その一方、戦闘に対する躊躇の無さをプリスに心配され始めている。
プリスへの恋愛感情はまだ誰も気づいていないが、メンバーの誰も恋愛をしたことが無いため露見の可能性は低い模様…?
行使する魔術は「質量を持った光」。
補正器具の手袋を入手したことで、魔力を完全にコントロールできるようになった。
魔術の光は結晶に変化し、更に自在に変形。以前のような過度の疲労も殆どなくなった。
〇プリス
本作のもう一人の主人公。陽光に当たると七色に輝く石英状の鱗を持つ「葬星の竜」。
普段は高慢ちきで口が悪いが、相棒のアニィには優しい。
第3章ではアニィの積極性に半ば振り回される形で共に行動するが、それでもアニィを尊重するお竜好し具合を見せた。
アニィが戦闘に対してあまりに躊躇が無いことに気付き、無茶をしないかと心配し始めている。
翼から魔術の光を発し、敵を縛る糸を出したり傷を癒したりと様々な奇跡を起こす。
また、口から吐き出す光線を光の糸と合わせてドリル状の光線にする技も編み出した。
〇パル・ネイヴァ
アニィの親友。アニィと同じく、現代日本でいうと17歳相当。明るく、物をはっきり言う性格。
アニィ達と共にヘクティ村を脱出し、共に「厄介事引受人協会」に入会。
第3章では若干目立たないものの、指揮官個体をパッフとのタッグで2頭撃破する活躍を見せる。
長年の友であるパシフィアと、様々な合体技を編み出した。
行使する魔術は「身体強化」。
自分の体に掛ければ凄まじい身体能力を発揮し、輝ける鋼製の武器に掛ければ硬度や破壊力を強化できる。
パシフィアとの合体技である巨大な水の矢は、大型邪星獣の腹を一発でぶち抜く威力を誇る。
〇パシフィア
パルの相棒。愛称「パッフ」。コーラルピンクの鱗を持つドラゴン。
他のドラゴンと比べてやや精神年齢が低く、それゆえか表情がころころ変わる。
第3章での出番は控えめ。
口から強烈な水流を吐くほか、水の形を自由に操る魔術を行使する。
パルとのタッグで指揮官個体を2頭撃破。海上の戦闘では無類の強さを誇る。
〇カゲサキ=ヒナ
アニィ達が出会った剣士の少女。18歳相当。
フェデルガイア連邦の遥か東にあるヤマト皇国出身。高速の剣術を得意とする。
邪星獣ガ=ヴェイジによって里を滅ぼされ、自身も両目を奪われて、復讐に燃えていた。
クロガネとはヴァン=グァド訪問前に出会い、生涯の友となる。
当初はガ=ヴェイジを討ってすべて終わりと考えていたが、その後に自らの意志で生きることを見出し、復讐を遂げた。
その後はアニィ達と共に邪星皇を討つ旅に出る。
行使する魔術は「行動の加速」。一つ一つの行動がけた違いに速くなる。
ただでさえ速い剣術が、これによってドラゴンラヴァーの目ですらとらえきれなくなる。
クロガネの加速走行魔術と合わせることで、邪星獣のみならず魔術による防御を両断する必殺剣となる。
・名前は「影に日向に」から。
〇クロガネ
ヒナの相棒。黒に近い金属色の鱗を持つドラゴン。物静かだが、常にヒナの事を思いやっている。
ヒナとは彼女が里の壊滅から逃れた時に出会い、しばらく過ごすうちにいつの間にか生涯の友となっていた。
しかしヒナが復讐の念に囚われたことを心配し、依頼でやってきたアニィ達に助けを求める。
ヒナの戦闘技能は近接戦専門のため、戦闘時は少しでも刃が当たるようにヒナを頭に立たせている。
口から邪星獣のものに似た鉄の弾丸吐くほか、高速走行の魔術を行使する。
突進攻撃の他、ヒナの行動加速魔術と合わせることで邪星獣を両断する必殺剣を編み出した。
▼ヴァン=グァドの住人たち
第3章では、協会受付係でビッグワンハウス5姉妹の末っ子モフミノーラ、アシスタントのポコマツ、
騎士団長ダナイト・オーサーとその親友にして小隊長のダディフ・キャップ、服飾店店主のアムニットが登場。
■世界観■
△城塞都市ヴァン=グァド
アニィの手袋を入手するために訪れた城塞都市。無人島を大幅に改築し、巨大な要塞を備えた大型軍事施設。
専属の騎士団が所属するほか、厄介事引受人協会の支部もあるため、会員が立ち寄ることもある。
周囲は高い外壁と海に囲まれており、他の大陸および国家からは船で数日掛けて渡ることが前提になっている。
また門がかなり高い位置にあり、ドラゴン等の飛行生物に乗る、ロープなどを利用して上る必要がある。
アニィ達が立ち寄ったのは協会支部の従業員寮と雑貨店・服飾店程度だが、戦闘訓練施設もある模様。
当然観光地としての楽しみは無く、宿屋も無いので旅の途中で寄るには不向き。
なお、元々は人間の国家相手に防衛拠点として作られた施設である。
それ故に高い外壁と周囲を囲む広い海は、以前は巨大な防壁として役に立っていたが、飛行できるドラゴンや邪星獣にはほぼ全くの無意味である。
また、過度に規律正しくあろうとする騎士団と、それ以外の住民との間にはわずかながら軋轢が生じている。
騎士団の主導に嫌気がさした者、邪星獣との恐怖から戦えなくなったものが、
ストレスや恐怖から逃れるため、暴力などの犯罪に手を出してしまったケースが多々ある。
彼らを取り締まる騎士団も力づくかつ高圧的で、両者の間には修復困難な溝が生まれている。
3~4店舗ある雑貨店では様々な物が揃うが、趣味のための品などはまったく置かれていない。
その雑貨店で買える携帯食は、栄養豊富ながら木の皮のような味で、騎士団にも不評。
雑貨店以外はアムニット服飾店しか無く、アムニットの店も日用品以外は置いていないため、買い物の楽しみはほぼ皆無。
このように、都市としては治安が悪化しつつある上に、防衛拠点としても役に立たなくなり始めている。
邪星獣の進行に対し、他の大陸への避難が始まっていることが、その証明となっている。
△ヤマト皇国
ヒナの出身国。フェデルガイア連邦の遥か東方にある国家。
この国家の剣士は「サムライ」と呼ばれ、他国で流通している物と異なる、僅かに反りのある片刃の剣「刀」を携行している。
他国との交流が極端に少なく、詳細は謎に包まれており、諸外国ではその文明について、
「国民総勢神秘のサムライ」「命を賭けて大技ハラキリ」「勝利の突撃カミカゼバンザイ」「ヤマトスペシャル’95」
…など、奇怪な噂がまことしやかに囁かれている。
実際は他国と文化が大きく異なるだけで、ヒナを見れば全て事実無根なのがお分かりいただけるだろう。だろうか?
なおモフミノーラはこの国にかぶれており、わざわざ皇国なまりで話しているが、正しい皇国なまりかは誰も判らない。
邪星獣ガ=ヴェイジが群れを引き連れて襲撃したことで、ヒナの里は壊滅してしまった。
△ボルビアス島
ヴァン=グァドの西方にある火山島。
作中では休火山であり、噴火の心配はないが、地下にはマグマが溜まっており、その熱が地表にまで伝わっている。
この島の土には有毒物質が含まれ、それが染み出した水分に植物が適応しているなど、島原産の物はほぼ全てが人類にとって猛毒。
島内は植物も動物もわずかに生息しているのみで、長期間の生活には不向き。
その一方で地表や周辺の海は常に暖かく、噴火口に近づかなければ観光や療養には適した島である。
また近海ではトロピカルマッスルサーモンなどの食料となる動物・怪物が多く集まり、漁業関係者に注目されている。
ヒナはこの島の地下大空洞で修行していた。
△名前を持つ邪星獣
第3章では名前を持つ邪星獣ガ=ヴェイジが登場。
邪星獣は邪星皇や別の個体から記憶・知識等を引き継いでいるため、後発になればなるほど必然的に知力が高くなる傾向がある。
その中で高い思考能力から自我に目覚め、自らを邪星皇から独立した存在と把握した最初の個体がガ=ヴェイジである。
ただし、邪星皇の目的のために行動するのは大前提であるもよう。
人類の言語を理解・発声し、顔には様々な表情を浮かべ、悪意を以って人間を攻撃する。
魔術も何種類かを行使するなど、アニィ達にとって難敵になることが予想される。
以下、物語の進行に応じて各章ごとにまとめを展開。




