登場人物と世界観の説明②
◇ここまでの登場人物と世界観のまとめ②
■登場人物■
〇アニィ・リム
本作の主人公。現代日本で17歳相当。内気で引っ込み思案だが、少しずつ積極的に変わり始める。
内面には強烈で無軌道な怒りが渦巻いており、一度感情が昂ると止められなくなる。
港町のシーベイ街で「厄介事引受人協会」に入会。
シーベイ街に辿り着いてから、プリスとの真夜中の散歩、宿泊、食事、買い物と初めての体験に胸躍らせる。
特にプリスに対しては恋愛感情を少しずつ自覚し始めるものの、アニィ自身は恋だと知らずにいる。
街を襲った邪星獣から子供を護れず、村にいた頃のトラウマまで抉られて心が折れかけるが、
その母親との触れ合いで再び立ち上がり、新たな技を体得した。
行使する魔術は「質量を持った光」。
初めて行使した時は不安定な不定形状態だったが、一時的ながらも安定した結晶の形で発動した。
次章では城塞都市ヴァン=グァドで補正器具を入手する予定。
〇プリス
本作のもう一人の主人公。陽光に当たると七色に輝く石英状の鱗を持つ「葬星の竜」。
知能が高く、思念を言語化して伝える魔術を持つが、高慢ちきで口が悪い。しかし相棒に選んだアニィには優しい。
アニィ達と共にシーベイ街に訪れ、初めての相棒との生活の中で少しずつアニィを諭していく。
その一方、自身の発言に対しての周囲の反応に辟易するなど、人間臭い面も見せる。
翼から魔術の光を発し、敵を縛ったり傷を癒したりと様々な奇跡を起こす。
また、口からは強烈な光線を吐き出す。
〇パル・ネイヴァ
アニィの親友。アニィと同じく、現代日本でいうと17歳相当。明るく、物をはっきり言う性格。
アニィを支え続け、ついに連れ立ってヘクティ村を脱出し、共に「厄介事引受人協会」に入会。
シーベイ街の日常から、ヘクティ村がいかに文明から隔絶されていたかを思い知り、愕然とする。
鍛冶屋のランス兄妹に依頼した矢でアニィと共に邪星獣と闘い、パッフとの抜群のコンビネーションと多彩な技を見せた。
行使する魔術は「身体強化」。
ドラゴンの全長の倍ほどの高さまで垂直でジャンプし、腕力も成人男性を片手でひねりつぶすほど。
また、この魔術で輝ける鋼製の鏃を強化することもできる。
〇パシフィア
パルの相棒。愛称「パッフ」。コーラルピンクの鱗を持つドラゴン。
他のドラゴンと比べてやや精神年齢が低く、それゆえか表情がころころ変わる。
初めて訪れた港町では様々なものに興味を示し、住人の子供と友達になる。
邪星獣との戦闘に際して新たな技を編み出し、パルの戦術の幅を大きく広げた。
特に海の水から作った巨大な矢は、指揮官個体くらいなら一撃で全身を爆砕できる破壊力を誇る。
口から強烈な水流を吐くほか、水の形を自由に操る魔術を行使する。
更に第2章では高速回転する水の円盤や爆裂する水球など、多彩な技を生み出した。
▼シーベイ街の住人たち
第2章では、協会受付係のモフミーヌ・ビッグワンハウス、協会のオフィスペット(?)チャウネン、
会員リーダー格のバンダル、鍛冶屋のスミス兄妹、宿泊所の店主ヤード・パック、マルシェ夫人らが登場。
マルシェ夫人は城塞都市ヴァン=グァドともつながりを持っており、アニィの武器の試作品も所持していた。
・モフミーヌの名前は前々作「ジュエル・デュエル・ブライド」番外編のキャラクター「大犬飼モフ美」からの流用。大→ビッグ、犬→鳴き声「ワン」、飼→小屋等に戻る指示「ハウス」→ビッグワンハウス。
・チャウネンには当初「本名『チャウチャウ=チャウ=チャウチャウ=チャウンチャウ=チャイマンネン=チャウネン785世』 好きなお茶はチャイ」
…という設定があったが、出番が多くない事とこの世界にチャイが存在しない事からお流れに。
■世界観■
△フェデルガイア連邦
本作の舞台になっている国家連邦。
アニィ達が住んでいたヘクティ村、港町のシーベイ街、城塞都市ヴァン=グァドなどが属している。
邪星獣に対しては対症療法的な対策のみ取っていたが、アニィ達が情報をもたらしたことで練り直される可能性が浮上。
この世界の他の国家と同様、あらゆる国でドラゴンと人類が共同で生活している。
△シーベイ街
海の近くにできた港町。外国との交易や旅行者の宿泊などで人が増え、現在では大きな街になっている。
石造りの家や舗装された道路など、ヘクティ村と比べてだいぶ文化的。
フェデルガイア連邦以外の国家とも貿易を行っているらしい。
また住民たちはドラゴンと仲が良く、商工会会長のマルシェ夫人などは1人の家族として接しているほど。
この街の厄介事引受人協会支部に入会し、アニィとパルは邪星獣退治の定期依頼を受理した。
△厄介事引受人協会
本作品における「冒険者ギルド」に相当する組織。各地に支部がある。
実際の所事業内容自体はギルドとほぼ同様だが、こちらは民間からの依頼をより積極的に受け付けている。
また魔導工学博士なる人物の発明品を所持し、魔力で押印できる会員証の雛型プレート、
物質を転移させる魔術ゲートなど、会員の支援や支部間の物資のやり取りなどに使っている。
ギルドでは一般的なランク制度がこの協会には無く、会員が依頼を受理する際は自分の実力と照らし合わせることが強く推奨される。逆に言えば、危険度の高い依頼を受理して失敗してもすべては自己責任である。
△超生物ドラゴン
いかなる進化の系譜にも属さず、極めて独特な生態と強大な膂力を持つ大型の生物、それがドラゴンである。
第2章冒頭において、星が自らを護るために生み出した超生物である…という事実が判明。
本作では邪星獣からの防衛が目的となる。
ただしプリスの説明では「星が自ら」というのは少々事実と異なることが示唆されている。
また生物として人類より格上ではあるものの、生活環境によっては人類と友達になる可能性もある。
△邪星皇と邪星獣
アニィの精神を折るために少年とドラゴンを殺害したことから、邪星皇および邪星獣には悪意と記憶を受け継ぐ能力があることが判明している。
特に第2章で登場した指揮官個体は人語をある程度理解した上で話し、嘲笑を向けるなど高い知性を垣間見せた。
このことはアニィ達がシーベイを訪れるまで一切情報が無く、邪星獣対策が厄介事引受人協会および各国で改められる可能性が浮上した。
△輝ける鋼と顕現石
本作の世界で採掘される鉱物。
前者は使用者の魔力を通し、魔術によって強化される特製がある金属。
パルが使用する短剣や矢の鏃はこれでできており、身体強化魔術によって切れ味や貫通力・速度を上昇させ、極めて強力な武器になる。
後者は魔術で起こした現象を使用者のイメージした通りの形状に変化させる鉱石。
アニィの光の魔術は素手の状態では不安定だったが、この鉱石を繊維状にして編み込んだ手袋によって、イメージを完璧に再現した。
以下、物語の進行に応じて各章ごとにまとめを展開。




