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5月19日 マネジメント(檜)

 パソコンに映し出された5月の営業成績を見ながら、俺は気持ちが沈んでいた。


 檜「どうしたんすか?」

 俺「もうやってられなくてな」


 今月も営業で売り上げを伸ばすことはできなかった。5月中旬の現時点で、3位の営業2課とは、大きく売り上げの差がついている。来月以降も中丸、石木の成長はまだ見込めない。そう考えるとな、、、、。


 檜「怒ってるじゃないですかぁ」

 俺「いろいろ思い通りにいかなくてな」


 この檜がランキングに入るくらい活躍してくれたらな。檜は、営業課全体では、15位。ちょうど半分くらいだから悪いわけではない。ただ、コイツが10位以内に入ってくれないと、俺たちに未来はないのだ。それだけは、理解してほしい。


 檜「売り上げどうなんすか?」

 俺「余裕で最下位だよ」

 檜「ハハハハハ、まじですか」


 いつものように、檜は笑顔を見せていた。コイツのいい加減さは、優しく包みこんでくれるような感覚だった。


 俺「笑うなよ」

 檜「伊東さんの売り上げはどのくらいですか?」


 俺の売り上げかぁ。


 俺「合ってるかはわかんないけど、3位くらいじゃね

ぇの?」

 檜「めっちゃ凄いじゃないですかぁ」

 俺「凄くねぇよ」


 正直、自分ができるのは当たり前なんだよな。昨日、花沢と話をしていて思った。そもそも、自分と他のスタッフを比較すること自体フェアじゃない。俺は、そう考えていた。


 檜「いやいや、凄いですよ。1位、2位誰ですか?」

 俺「1位は、今市。2位が麻耶だよ」

 檜「相変わらず、あの2人は凄いっすね」

 俺「そうだなぁ」


 今市、麻耶はいつも通りきっちりと営業成績をとっていた。さすがとしか言いようがない。


 檜「他、誰が上位いたんですか?」

 俺「大体は、いつものメンバーだぞ?」


 さっき見た感じだといつものメンバーが並んでいた気がする。他に誰かいたかな?俺は、パソコンを開けた。


 檜「変わった奴いないんですか?」

 俺「お前の同期の鍵谷がいたぞ」

 檜「まじっすか?頑張ってるんですねぇ」 


 鍵谷は、檜の売り上げをはるかに超えており、俺と対等にはりあえるくらいの力はもっていた。


 俺「他人事じゃねぇか」

 檜「まぁ、それはそうすね」

 俺「でも、お前も着実に上がってるよな」

 檜「そんなに褒めないでくださいよ。普段褒めないんだから」

 

 俺って、普段からそんな褒めてなかったかな?思わず自分を疑ってしまっていた。

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