5月11日 営業四課会議
俺たちは、会議を行っていた。
山形「ここの会社に行くということですか?」
俺 「そうですね。何かしないと変わらないですからね」
このリストは、中村さんから渡されたモノだった。営業成績が最下位ということで、何かしらの対策を次に向けて打つ必要があった。
山形「でも、ここの会社はここから距離が遠いじゃないですか?」
俺 「それは、そうですね」
山形さんの言っていることは正しかった。俺もこのリストを見た時には、同じ様に感じた。
花沢「もう少し、いいやり方ないんですか?」
俺 「じゃあ、何かある?」
花沢「、、、、、、、、、」
待っても答えが出ない。
檜 「じゃあ、新しい会社のリストを作るのはどうですか?」
俺 「それはいいけど、檜が作ってくれるの?」
それも考えた。でも、それができるのはこの部署では、俺しかいない。
檜 「それは無理ですよ。時間ないですし」
花沢「やっぱり、無理ですよ。会社が悪いですよ」
頭の中が怒りで満ち溢れていく。
俺 「会社のこと言ってても変わらないだろ?」
新人もいたが関係なかった。いつかこの考えが変わればな。
山形「じゃあ、ここのリストを半分くらいするのはどうですか?」
檜 「たしかに、それだったらできるかもですね」
少し雰囲気の悪くなった会議を二人が明るくしようとしてくれた。
俺 「じゃあ、そうしましょうか」
檜 「伊東さん、二人にはどうしてもらいますか?」
新人二人をいつデビューさせるかは迷っていた。正直、二人とも実力が未知数なのだ。
山形「もし、あれだったら今回のところで行ってもらいますか?」
正直なんて言ったらいいかわからない。石木は、22歳女性でアグレッシブな営業はできそうだが、浮き沈みがある印象を受ける。会社のカラーに合わなければ、成果は出なさそう。それだけに、営業する会社もきちんと選考しなければならない。一方、中丸は、25歳男性でとても真面目。大学院出身ということもあり、賢い。ただ、真面目すぎるが故に、一つ一つの仕事を丁寧にやるから、営業の件数はこなせなさそうだ。結局、二人ともどこに行くかが重要になるのだ。しかし、山形や檜たちには、そうした視点はない。山形は仕方がないが、檜にはそういった細部までこれからはできるようになってほしいのが本音だった。




