表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/80

5月10日 16位


 檜 「何位だったんですか?」

 俺 「16位」

 檜 「えー。過去最高じゃないですかぁ」


 満面の笑みを浮かべる檜がいた。気持ちは理解できるけど、それでは困る。


 俺 「喜んでる場合かよ」

 檜 「喜べるでしょ」


 コイツは、16位に対してあまり、何も思わないようだ。


 俺 「喜ぶなよ。そんなんで」

 檜 「なんでですか?」


 なぜ、喜んではいけない?そんな印象を受ける。


 俺 「新人がベスト10入ってるんだぞ?」

 檜 「えー、そうなんですかぁ?」

 俺 「ああ」


 少しは危機感やライバル意識をもってほしいのが本音だった。


 檜 「まぁまぁまぁ、1位がいれば16位もいますから」

 俺 「知ってるわ」


 コイツに言った俺がバカだった。


 檜 「そういえば、先輩は何位だったんですか?」

 俺 「ああ、俺は5位か6位くらいじゃねぇかな」

  

 タイピングの手を止め、俺の方を向いてきた。


 檜 「めちゃくちゃスゴイじゃないですか?」

 俺 「凄くねぇよ。俺よりも上のやつがいるんだから」

 檜 「そんな上ばっか目指しても仕方ないっすよ」


 コイツの言うことは一理ある。でも、それを認めるわけにはいかなかった。


 俺 「働いてるんだから、それは上を目指せよ」

 檜 「伊東さんより上って誰がいるんですか?」

 俺 「えっーと、、、、、、、、、」


 誰が上だっけな?今回の順位をちゃんと見てなかったからなんとなくしか覚えていない。


 俺 「今市とか摩耶とか佐藤とかじゃねぇの?」

 檜 「いやー、やっぱり今市さんスゴイっすね」

 俺 「そうだな」  


 アイツはいい奴だし、結果も出せる。アイツに勝てるところはなかった。


 檜 「そういえば、この前のやつどうなったんすか?」

 俺 「この前のやつ?」

 檜 「新人研修」


 そういえばあったな。たしか、4月23日だったかな?人事部の通達ミスで白紙になったやつ。あれだけは、本当に納得ができなかった。


 俺 「今度やるよ」

 檜 「え、いつですか?」

 俺 「12日」


 この日は、檜と花沢が営業に行かない日だから、手伝ってもらおうと思っていたのだ。


 檜 「これって、俺もでるやつですか?」

 俺 「正解」

 檜 「まじっすか。恥さらさないでくださいよ」

 俺 「お前がちゃんとやればそうならないだろ」


 今の話を聞いて、檜と花沢ともちゃんと打ち合わせをしなければならなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ