5月5日 GW6日目
気がつけば、仕事の話。それがいつも俺たちの会話だった。この前の同期会ではそこまで話をしたことがなかった。したくなかったわけじなないけど、二人じゃないとそうした話はできない。だから、こうした機会はありがたい。この先も、森川とずっとこうした話をできたらと思っていた。
森川「プレゼン決まったのか?」
俺 「いや、全く。千尋でるのか?」
俺たちは、6月に行われるプレゼンについて、話をしていた。ホントはやりたくないというのが本音だったけど、自分の実力を知る良い機会だった。同期の中では、あまり活躍できていない俺にとっては、結果を出せば一気に評価もあがる。
森川「出ないと怒られるからな」
俺 「そうなのか?」
森川も出るとなるとめんどくさいな。すでに自分より凄いやつがいる中で頑張れる気がしない。
森川「ああ。めんどくさいよ」
俺 「俺も出ないといけないけど、お前らが出るんだと勝ち目ないからな」
森川に加えて、今市や青野たちもいるとなると、やることないだろうな。誰が考えたんだ、こんなプレゼン大会。
森川「そんなことないだろ」
俺 「あるぜ、そんなこと」
森川は、とても喜んでいるようだ。何が楽しいんだろうか?俺には、わからなかった。
森川「お前はやればできるタイプだろ?」
俺 「いやいや。この前のプレゼン散々だったからな」
なぜ、俺のことを評価してくれるのかよくわからない。俺より、コイツらの方がもっと凄い。
森川「そうなのか?」
俺 「ああ。もう自信が全くないよ」
なんで自信がないのか、そんなの決まっている。
森川「でも、同期でプロジェクト進めれるのは楽しいかもな」
俺 「あー。それは、そうかも」
もし、そんなことが本当なら俺は楽しめるかも。
森川「もしかしたら、面白くなるかもな」
俺 「でも、同期でやるなんてことあるかな?」
森川「さぁ、そこは経営陣次第だろうな」
たしかに。アイツらが楽しんで働かせてくれるとは全く思わない。
俺 「でも、お前たちとは働きたいな」
森川「そうだな。もう一度あの頃に戻りたい」
俺 「それは、ちゃんと言わないと無理だろうな」
森川「そうだろうな」
俺たちは、深夜の居酒屋で語りあっていた。こんな日がこれからも続いたらな。そんなことを考えてしまう自分がバカらしく思っていた。




