5月3日 GW5日目
陽が差し込む美しい午後、広大な芝生に甘いスモークの香りが漂っていた。大学時代の友だち8人が集い、賑やかなバーベキューパーティーが開催されていたのだ。原田からは、賑やかな笑い声が聞こえ、近くのスマホからバーベキューに合いそうな音楽をながしていた。男女8人で俺たちは、ワイワイと話しこむ。この日ばかりはと、仕事のことなどは忘れ、グリルから立ち上る香ばしい香りに心踊っていた。
グリルの上では、ジューシーなお肉がパチパチと音を立てながら焼かれている。お腹の横には、溶けたチーズが滴り落ちているみたいだった。誰が焼いたんだ、これは?お肉の少し離れた所には、マッシュルーム、タマネギ、ピーマンなどかが串刺しにされており、グリルの上でグツグツと焼かれている。これは、美味しそうだ。俺たちは、大きな声ではしゃぎながは、焼き終えるのを今か今かと楽しみに待っていた。俺たちの周りには、横の家族連れの子どもたちが芝生で駆け回り、水風船投げをして大はしゃぎしているみたいだった。もしかしたら、俺たちの何年後かは、みんなああいう風になっているのかな。どこか羨ましさと寂しさが入り乱れていた。
その子どもたちの大人はテラスでくつろぎ、冷たい飲み物とおいしい料理を堪能しているみたいだ。これが家族の休日の過ごし方なのだろうか?グリルを担当していた戸川は、バーベキュー名人だった。実際に飲食店で働いているということもあり、彼の言うことを聞いていたら美味いに決まっている。俺は、そう確信していた。彼が素早く肉をひっくり返し、完璧な焼き具合に仕上げているのがわかった。
グリルから少し離れたところでは、若竹がサラダを切って、サラダバーを設置しようとしているみたいだ。今日、新鮮な野菜や色とりどりのフルーツを自宅からかけ集めてきたことを言っていた。若竹の家は、実家が農家ということもあり、たくさんの野菜や果物があったのだ。そこに、戸川が作った自家製のドレッシングをかけると絶対に美味い。
ここに、付け合わせの焼きそばやコールスローを並べ、俺たちのバーベキューがスタートしたのだった。俺は、このバーベキューでしたかったマシュマロの串刺しをしていく。ゆっくり、炎の上で炙られ、溶けてキャラメル色になるのがたまらなくそそられる。このままでもおいしいけど、ここにチョコレートでコーティングすると、もっと甘くなるんじゃないかとチョコレートをフォンデュし始めた。




