表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/80

4月30日 GW2日目

 バーの奥深く、ざわめきと笑い声が渦巻いていた。GW2日目。多くの人で賑わっている。俺は、高校時代の友人である、栗生、松田、川井の三人で飲んでいたのだ。仕事のしんどさや恋愛を語り合いながら、グラスを傾けていた。中央にいた松田は、酔いがだいぶ回ってきたみたいだ。まだ、19時というのに。彼女は、振られてから毎日が投げやりになっているという。可愛いし、また次の人ができると俺たちで励ましあっているけど、まったく聞く耳をもたない。そんな松田の彼氏が俺の友だちだから、なんとも言えなかった。

 松田の彼氏とは、中学生からの友だち。誰に対しても優しくみんなから好かれる人気者だった。別れた理由としては、海外に行くからという理由だとのこと。将来、海外に住みたいという目標があるらしくその言語を習得したいらしい。さすがだった。松田は、遠距離でもいいと言ったらしいが、相手をする時間がないという理由で断られたそうだ。彼女がいない俺にとっては、最近まで付き合えていたから羨ましい限りだが。

 一方、栗生と川井は、仕事でストレスのたまる1日を過ごしているそうだ。俺も一緒だけど、彼らはもっとしんどいみたい。でも、働いたらそういう不満の一つや二つは出てもおかしくない。まぁ、俺たちの代表である園山とかだったら、怒られるだろうけど。社会人なんだから、お互い不満も言いつつ、頑張っていければいいのかなとも思っていた。「ねえ、新!ちょっと聞いてよ」。栗生のダル絡みが始まった。俺は、半分耳を傾けている一方、半分耳を傾けていなかった。「この間さ、山本がさ…」と川井が真剣に話り出した。

 すると、次の瞬間ドアの近くにあるベルが鳴る。川井の話を聞きながら、目線を変える。ドアの方を見ると、背の高いハンサムな男性たちが店に入ってきたみたいだ。彼は自信に満ちた足取りで、店員に空いているかを確認する。6名くらいだろうか?彼らは、テーブル席に案内されたみたいだ。全員男性で、すごい圧だった。すると、後ろから誰か近づいてくるのがわかった。気づいていないフリをしたけど、誰か気になる。そして、男性の「すいません」の声のもと、俺は振り返った。3秒ほど顔を見るが、誰だかわからない。俺の知り合いか?ホントに?「僕ですよ、僕!」。誰だよ?そう思った瞬間、男性は語り出した。俺は、大声で笑ってしまった。まさか、コイツとここで出会えるとは思わなかったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ