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4月25日 線引き

 昨日、話をまとめた「緑黄色会社」の資料を作っていた。会社の総従業員数は、わずか8人。代表取締役が古谷と書かれていた。こんな会社と契約して本当に大丈夫だろうか?しかし、山城からお願いもされたしな。とりあえず、聞いてみるしかないかな。俺は、スマホを取り出して、聞いてみた。


 俺 「お疲れ様です」

 中村「おう、お疲れ。どうしたの?」  


 電話越しの中村さんは、いつもより元気がなさそうだ。また、トラブルでも起きていたのだろう。


 俺 「今、時間ありますか?」  

 中村「ああ」


 本当はないのかもしれない。俺は、手短に話すことにした。


 俺 「実は、この前言ってた会社なんですけど」

 中村「緑黄色会社?」  

 俺 「はい」  


 まさか、会社の名前まで覚えてるとは思わなかった。


 中村「そこがどうした?」

 俺 「昨日、商談して一応上に言ってみると伝えたんですよ」


 山城に言われて、ちゃんと言っている自分が本当にすごく思えた。他の人なら言わないだろうな。私は、そんなことを考えてしまっていた。


 中村「ほぉ。よかったのか?」  

 俺 「いやー、正直よくないと思うんですけど。断っても全然受け入れてもらえなくて」  


 素直な感想だけど、一つだけ思うところがあった。それは、これから伸びる可能性があること。うちの会社は、ただサービスを使ってもらってお金を稼ぐだけでなく、その会社の成長にも貢献したい。それが一つのブランドにもつながってくるのだ。そういう意味では、契約したけどあまり意味のなかった会社もたくさんあった。


 中村「なるほどな。それでどうするの?」

 俺 「いろいろ考えたんですけど、値段交渉しようかなと思って」


 聞いてくると思った。ただ、中村さんに相談だけだとまともに取り合ってくれない。きちんと自分の意見をもたなければならないのだ。


 中村「いいんじゃないの?」  

 俺 「そこで最低価格決めていただきたくて」 


 その設定が異なると、売り上げがたたなくなる。どのラインで中村が線引くか。


 中村「なんだよ、それ」

 俺 「最低価格ってどれくらいかなと思ってまして」

 中村「月額でいこうか」  


 月額かぁ。


 俺 「あぁ。そういうのもありか」  

 中村「何ヶ月でいこうと思っている?」

 俺 「3ヶ月で」

 中村「じゃあ、それでいこう」  

 

 これで、ようやく一つ目の問題が解決しそうになった。しかし、問題はこれだけではなかった。

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